コラム

回転フグ ~回転といえば…真央ちゃん、お疲れさまでした~

No.56|2017年4月15日

 

 若い頃、看護婦さん達と雑談している時に行ってみたい高級料理店の話になり、ある看護婦から「フグ料理の店に連れて行ってください。」とせがまれました。安月給の身で贅沢はできませんから「安く食わせる“回転ふぐ”の店を見つけたら連れて行くよ。」と答えると、その看護婦は「そんな店はありませんよ!」と怒ったフグの様に顔を膨らませました。

 

 

 さて回転する食べ物の代表の回転すしですが昔は一段下に見られていましたが、最近ではすっかり様変わりで子供たちはネタも豊富で様々なサービスがある回転すしの店に行きたがり、値段の割に味も充実して一般の町のお寿司屋さんをすっかり凌駕してしまいました。私は未だに回転すしに行ったことがなく、むしろ昭和の雰囲気を漂わせる町のお寿司屋さんが大好きですが、老舗の寿司屋は経営者の主人の高齢化、後継者問題、人手不足で残念な事に次々と閉店して町から消えています。

 

 職場の近くにあった行きつけの寿司屋は出版関係や映画人、芸能人等の所謂文化人が集い、いつもにぎわっていました。そこで小僧の頃から修行したMチャンは米国で最も成功した日本レストランNのオーナーとなり世界中に支店を出すまでになりました。彼を育てた元帝国陸軍中尉殿の親父さんは晩年は握る手に力が入らず「よいしょ、よいしょ」と言いながら巻いてくれたウニの軍艦巻きが出されたとたんにパラ~リとはがれてしまう始末で、注文を威勢よく「あいよ!」と威勢よく片手をあげて聞きいれるのですが、数分後にはすっかり忘れてしまいました。

 

 

 古くからの客は皆心得ていて、親父を傷つけないように初めて注文するように「そろそろトロを握ってもらおうか。」と言う様な按配で最後まで心地よい空間でした。ある時帰国したMチャンが共同経営者のハリウッドの有名俳優を連れてこっそり来店し、親父は嬉しそうに「Мの奴がデニーロの奴を連れてきやがった。」と嬉しそうに一緒に撮った写真を見せてくれたりしましたが、間もなく親父さんも亡くなりその寿司屋も消えてしまいました。

 

 ところで逆転の発想をモットーに生きてきた私にとってあのドクター中松はアイドルです。
某国から打ち上げられたミサイルが向きを変えて元の所に戻っていく画期的なシステムを発明したとの話を選挙演説で聞き、「これで我が国も安全だ!」と心を撫でおろしましたがあのシステムはその後どうなったのしょうか?そこで私も尊敬するドクター中松に負けずにイエス・ヒロオカクリニックの理事長として既成の回転すしに一石を投じる画期的なシステムを考案しました。それは寿司が回転するのではなく客の椅子が回転するのです。

 

 

 なにやらドリフのギャグの感もありますが、まさにここからが独創的で。ただ回転するだけではありません。客には座った椅子で飛行機の様に安全ベルトを着用してもらい、富士急ハイランドのコースターの様に時に逆さまになりながら回転する看板通りの正真正銘の回転ずしです。素早く寿司を取って頬張らなくてはイクラが鼻の穴に入ったりしてエライ事になりますがスリルとサスペンスの回転すしで、客はキャーと叫びながらかっぱ巻きを宙返りで頬張る事になります。巨大な女性のロボットが売りの歌舞伎町のロボットレストランあたりがアイデアを採用してくれないかと期待しています。

  

 

   森 論外

 

 

 

理事長 弘岡泰正

 

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