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東京都花粉症対策検討委員会に出席して ~ヒノキ花粉症の話題です~

No.69|2018年10月13日

 

 PAT022 2018年9月20日に東京都花粉症対策検討委員会に委員の一人として出席いたしました。この会に出席することはいつも大変楽しみです。会の後の居酒屋での飲み会が楽しいことも理由の一つかもしれませんが、何といってもアレルギー科の臨床医である私とは全く異なった専門分野の先生方が10人ほどおられ、とても勉強になるからです。この委員会は気象や森林の専門家、花粉博士の名がピッタリのS先生、統計や疫学の専門家、長年多くの花粉症患者さんを診療しておられる耳鼻科や眼科の医師などで構成されております。

 

ヒノキ花粉のほうが辛い

 スギ花粉症の人の7割がヒノキ花粉症を合併していますが、ヒノキ花粉症のほうが辛いと訴える人が少なからずいます。当院ではスギに対する減感作療法を127名の方に行っています。この治療は抗原免疫療法のためスギ花粉症には有効率が高いのですが、ヒノキには効きません。スギのシーズンは2月中旬より4月下旬で、ヒノキは3月中旬より5月中旬くらいです。スギの減感作療法施行の人で、2月には症状がとても軽かったが、その後特に4月、5月に症状がひどくなると訴える方が少なくありません。

 

 

今年はヒノキ花粉が超大飛散

 ヒノキ花粉は従来、スギ花粉の1~3割前後の飛散量ですが、今年はなんとスギとヒノキはほぼ同量の飛散量となりました。どちらの花粉も大量で、昨春と比べスギは2.5倍、ヒノキは10.4倍で、スギ・ヒノキ合計では過去10年間で2番目に多い飛散量となりました。ヒノキ花粉が大量に飛散した原因としては、ヒノキが樹木としてスギに遅れて成熟期を迎えてきたことやヒノキ雄花の成長がスギとは異なる気象条件の影響(例えば5月下旬の日照時間など)を受けたためではないかと推測されますが、今後の研究が待たれます。

 

 

ヒノキの減感作療法も受けたいのですが?

 外来でよく受ける質問です。「残念ながらまだ出来ません。」と私はいつも答えています。今年こそその理由を委員の先生方にお聞きしようと思い、今回お聞きしました。 ヒノキ花粉は、スギに比べ採取するのが難しい事、採取して治療薬とするまでの臨床研究やコストなど困難はあるものの、ヒノキの減感作療法の実現に向けた研究は進められているとのことでした。ヒノキ花粉症でお悩みの方、乞うご期待!!

  

 

平成30年 10月

 アレルギー科・副院長 弘岡順子

 

 

 

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