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花粉症に対する免疫療法(減感作療法) ~唯一の根本治療~

No.52|2014年3月8日

すぎ花粉症は、平成18年度に東京都が実施した調査によると都民の 3.5人に1人が罹患していると推計され、今や国民病とも言える疾患です。多くの方々が、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどに悩まされ、抗アレルギー薬など種々の治療薬を数か月服用し続けたり、点鼻・点眼薬を併用しています。

これらはいずれも症状を抑える対症療法で、人によっては、症状を抑える効果が十分でないばかりか、眠気・だるさ・のどの渇き・集中力低下などの副作用が強く出る場合もあります。また、妊娠を望んでいる方は薬を飲むのを控えなければなりません。さらに、国全体として考えると膨大な医療費が使われます。

 

【  免疫療法とは 】

アレルギーの原因となる抗原(すぎ花粉、ハウスダストなど)を低濃度から少しづつ体内に入れ(皮下注射あるいは舌下へ滴下)、徐々に増量してゆくことにより、その抗原に抵抗力をつけてゆく治療法です。

スギ花粉などが体内に入ってきてもアレルギー反応を起こさなくなるかあるいは起こしてもも軽くなることをめざします。

 

【 実際の方法 】

皮下注射法
スギ花粉のシーズンが終わった5月下旬頃より開始できます。長期間にわたる治療法のため次のシーズンに効果を期待するためには9月頃までには開始したいものです。初めの5~6か月は1週に1回、その後は2週に1回、3週に1回と間隔を延ばしてゆき、1年近くには1か月に1回のペースで皮下注射をします。通常2年くらい維持量を継続します。医療保険が適応され、比較的安価です。

 

舌下法
舌下の粘膜にスギ花粉エキスを滴下することによる免疫療法です。注射法と比べ、痛みが無く自宅で自身で出来る利点があります。ただし、実際には2年間毎日実施すること、初めの1年間は花粉エキスが新薬として扱われるため2週間に1度の通院が必要なこと、医療保険が適応されますが費用が現時点ではまだ公表されていないことなどが問題点と思われます。

 

いずれにしても、免疫療法を希望される方は一度は受診していただき、この治療に適した方がどうかを医師に評価してもらう必要があります。 

 

副院長 アレルギー専門医 弘岡順子

 

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