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モルディブでの2年間 ~青年海外協力隊に参加して~

No.13|2002年2月1日

昨年10月より臨床検査技師としてスタッフの一員に加わりましたkと申します。私は、ヒロオカクリニックに就職する前、2年間青年海外協力隊員として、モルディブという国で仕事をしていました。そこでの仕事、生活について少しお話してみたいと思います。

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、モルディブとはインド洋の南に浮かぶ島国で1190もの小さな島が集まってできている国です。そのうち人の住んでいる島は、200、そのうちの80くらいが観光客の行くリゾート島といわれています。島の1つ1つは本当にとても小さく、私の住んでいた島は島の真中に立つと、島の両端とその前後の海が見えるくらいでした。

 

リゾートのイメージからすると、真っ白な砂浜と青い海の現実を忘れるような夢の世界ですが、現地の人々が住む住民島は別世界で、基本的に現地の人はリゾート島に行くことはなく、普通観光客も住民島に足を踏み入れることはできません。私の住んでいた島は、首都から120kmくらい離れたところだったのですが、首都へ行くには、舟で約10時間かけての移動でした。

 

食事はほとんど毎食カレーで、主食は朝はチャパティ、昼と夜はご飯です。その他にモルディブ料理で、ガルディアと呼ばれる鰹の塩茹で汁をご飯にかけたものがあり、このガルディアかカレーを毎食2~3週間も食べ続けると飽きてしまい、食生活はつらいものがありました。しかし、そのカレーやガルディアに使われる魚(鰹)は、モルディブの人々にとって主要な食物で、海が荒れて魚が取れなかったりすると島中大騒ぎでした。

 

そんな島の中にあるベッド数30床くらいの小さな病院の検査室で、私は臨床検査技師として仕事をしていました。勤務時間は、朝8:00から昼2:00まで(その中に朝食の時間も含む)、家は病院の敷地内という日本の生活からいうとかなり楽な環境の中で、南国モードでのんびり仕事をしていたように思えますが、実は島の中に日本人は私一人。

 

初めの一年は、慣れない現地語を使っての悪戦苦闘の日々でした。なんと言っても私が島ではじめに覚えた現地語は、「トイレに行って、尿を採ってきて下さい」です(笑)。しかし、何とか2年終わる頃には、よく病院へ来る患者さんが検査室へ顔を出し、世間話をしていってくれるまでになりました。

 

外来患者さんの多くは、妊婦さん、熱や腹痛等の人々で、手術の多くも盲腸や帝王切開等で、日本ではごくあたりまえに治るような病気がほとんどですが、首都以外の島では、病院自体が少ないのと地理的な問題で、患者さんが病院へ来るのは本当に大変な環境で、大きな病気でなくても重篤な状態になってしまうこともありました。モルディブでは、首都以外の島では、国全体で病院は5つしかなく、後は診療所(医師がいないところもある)が25ヶ所あるだけで、いろんな島から病院のある島へ舟で何時間もかけてくることも少なくありません。

 

そこでの2年間は、改めて日本の恵まれた環境を実感する日々でした。文化、言葉の違いに戸惑うことも多かったですが、医療を通してモルディブの人々と深く関わることができ、仕事以外でも暖かい現地の人々に囲まれて幸せに過ごす事ができた貴重な2年間という時間でした。

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