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小指の思い出 ~レントゲンって撮ってもらったことあります?~

No.15|2002年5月1日

左手の小指を見ると、子供の頃ケガをしてよく隣町にある小さな外科病院でレントゲンを撮ってもらった事を思い出す。もうずいぶん昔のことだが、親の話ではよくケガをする子供だったらしい(かなりドンくさい子供だったのだろう)。そういえば体のあちらこちらに年季のはいったケガの跡がある。そのひとつひとつの傷が、今でも鮮明に当時の記憶を思い出させるから不思議なものである。

 

野球で突き指をして小指を骨折したり、自転車のまま深い溝に突っ込んで膝を切ったり、階段のうさぎ跳びで足を踏み外して骨折したり…これはほんの一部だが(これだけでもたいしたものである)、そのたび私は階段を下りレントゲン室(たいていは1階か地下にある)へと向かうハメになった。でも、本当は大の病院嫌いだった。

 

名前を呼ばれて部屋に入ると、そこは闇と静寂と…何故だかすっぱい空気に包まれた世界だった。部屋の隅で機会のうなる音が低く響いていた。
そこへ一人の白衣を着た人が現れ(当時はまだ診療放射線技師という存在を知らなかった)、四角い板のようなものの上に手を置くように言った。彼は、私の腫れて曲がった指を少しずつ伸ばしながら、
「もう少し伸びないかな?」
「ちょっと痛いけど頑張って。」
「ほらもう少し…」
と言いながら徐々に真っ直ぐに伸ばしてゆき写真を撮った。
「こんなに痛くて伸ばせないのに、なんで真っ直ぐに伸ばさなきゃいけないんだよ~」
と半泣きになりながら、心の中で思った。
「はい、おしまい。また待合室で待っててください。」
そう言い残してその人は何処かへ行ってしまった。
「ここがね~、ほら、この線見える?」
「黒いスジ見えるでしょ~。折れちゃってんだな。」
外科の先生に子供にもわかるように懇切丁寧に説明してもらい、指を固定され、しばらく通院した。小学5年生になったばかりの春だった。
「もう通わなくていいですよ。終了。」と言われるまで2ヵ月ほどかかった。
「ちょっと曲がってくっついちゃったけど、中学生になる頃にはまっすぐになってるから。心配ないよ。」と言われ、治療は終了。経過は良好まったく不自由なし。

 

あれから月日は流れて…。あれほど病院嫌いだった私が、何の因果か診療放射線技師として現在こうしてヒロオカクリニックで診療に携わっている次第である。でも私の小指は…いまだにちょっと曲がったまま。まあいいか。

 

ところで皆さんはエックス線検査をお受けになったことがありますか? また、どんな印象をお持ちですか? 放射線被爆のことや、エックス線の正体など不安や疑問に思われていることが少なからずあるかと思いますが、そのあたりを私なりに簡単にまとめてみました。

 

つづく…。

 

診療放射線技師 青野

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