ピータンの死

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 十一月初めの土曜日愛鳥ピータンが突然亡くなってしまいました。前日の朝いつものように五時に起きて鳥かごを開けて掃除と、餌やりをやりましたが、ピータンは出口で少し躊躇した後、私の隣に座っている家内の肩に飛んできてとまりました。いつもは左から右の肩に歩き回り髪をつついたり、私の肩に乗り移ってあご髭を引っ張り朝の挨拶をするのですがその日は家内の肩にとまったまま私の顔をじっと見つめています。「今日はなんでそんなに俺の顔を見てるんだい?」と語りかけると頭を下げていつものように首をなでる様せがみました。首をなでるとなんとなく細く感じました。数日前から下痢っぽい糞をしていたのですが元気に泣いて餌もついばんでいたのであまり心配していなかったのですが、念のため主治医のマイ先生のバードクリニックに連れて行くことにしました。仕事の事もあり夜八時の診察予約になってしまいました。夕方急いで帰宅してみるとピータンの様子が朝と全く変わり 水飲みの前にじっとうずくまっていました。声をかけても返事をしません。すっかり弱り動かなくなったピータンをケースに入れタクシーでクリニックに急行しましたが、車中、クリニックの待合でドンドン弱っていく気配です。マイ先生の診たては非常に危険な状態で集中治療のため入院してもらいますが今夜がヤマでしょうとの事でした。

眠れぬ夜を過ごし 翌朝通常通り外来診療をしていますと マイ先生から連絡が入りました。不吉な予感で電話を取ると残念な知らせでした。目の前の診察中の認知症のご老人の患者さんが電話をしている私を無視して何かを盛んに訴えていましたが、全く耳に入らず言いようのない悲しみと絶望感に襲われました。

夕方バードクリニックに遺体を取りに行きました。親切なスタッフがガーゼで枕と掛け布団を作ってくれており、ピータンが変わり果てた姿で寝ていました。

翌日庭の手入れをしてくれている庭師のお爺さんがピータンのために深く土を掘り素敵な石のお墓を作ってくれました。家を出るときや帰った時、玄関の戸の音を2階で聞きつけ「行かないで!お帰り!」と啼いてくれるピータンの声はもうありません。

悲しみに暮れる私達夫婦に飲み友達の詩人が詩を作ってくれました。

 

kamata

 

理事長 弘岡泰正

 

 

 

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