レストラン あれこれ

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 先日家人と近くの焼肉屋に行ったのですが、めったに焼肉を食したことのないツレは韓国語のメニューが珍しいらしく、店員に、カルビってなんですか?プルコギってなんですか?等と質問をしていました。親切な韓国美人の店員はいちいち丁寧に答えていましたが、最後にあろう事か、脳天気に「この肉って何の動物の肉ですか?」と質問したのです。私はあわてて足をつつきましたが後のまつりで一度口から出た言葉と尻から出た屁は後に戻りません。さすが親切な美人店員の眉間にも険しい雰囲気が漂い、「お店の名前にも牛がついているよ、焼肉屋で牛肉出すがあたりまえ!」と厳しいお答え。そりゃ怒るだろうな。

竹島問題に進展しないで良かった。モウ焼肉屋に連れていくのはやめよう。

 

 

 

 ところで私は食べ物屋さんから好かれる傾向があり、すぐお得意さんになってしまいます。きっと何でもおいしそうにいただくからと自負しておりますが、ツレの言うには食べるのが早いので客の回転の良さに貢献しているからだと嫌味な解釈です。

 

 

 

 しかしながら昔、フレンチレストランで早食いを厨房からシェフが出てきて窘められた事がありました。曰く「お客さん、こっちも手をかけて調理したものを出しているんですから、もっとゆっくり味わって召し上がってください!」。ムカッと来た私は、どう食おうと客の勝手でしょと言いかけましたが、食べもの屋さんではお店から好かれる事を旨とし、良いお客に徹している私はぐっとカモ肉と一緒に飲み込み。情けなくも「すいません。」等と謝ってしまいましたが、まもなくその店は閉店しました。

 

 

 

 さて近くにインド人達がやっているカレー屋さんがあります。ある日の事、そこの従業員が1か月前から足が痛くて歩けないとクリニックにやって来ました。哲学者が眉間に皺を寄せた様な黒い苦渋の表情です。人差し指で足の拇を示し、唯一の日本語と思われる「イタイ、ココイタイ。」を連発しています。見るとかなりひどい巻き爪で化膿した肉が溶岩ドームの様に盛り上がっています。英語で手術が必用な事を説明すると、この世が終わるかの様な表情になりました。やっとの事で説得し手術台に乗せ、看護師たちに「インド人は痛みに弱くて大声を上げるかも知れないから驚かないよう伝えておいたのですが、案の定、麻酔の針を刺した途端、クリニック中に響くヒンズー語の叫び声です。あわてて肩を抑える看護師に嚙みつかんばかりに目玉をひん剥いて、暴れます。待合では患者さん達が、中で拷問が行われているかと思った事でしょう。やがて麻酔が効いたのかインド人はおとなしくなり、無事手術が終わりました。

 

 

 

 数か月後そのカレー屋さんを訪れると、あの巻き爪インド青年が厨房から飛び出てきて満面の笑顔で「ドクター、タンキュウ・タンキュウ。これサービスサービス。」と言ってヨーグルトを出してくれました。店の同僚たちに私を見やり何やら言っています。やがてマスターと思われるタイガージェットシンの様な貫禄のあるインド人が私のテーブルに睨みつけるような怖い目つきでやって来ました。私は何か怒られるのか身構えましたが、ニコリと笑い「タンキュウ・タンキュウ。」と言いました。

 

 

 

 我が国をめぐる困難なアジア情勢の今日、日印友好に貢献できて良かった良かった。

 

 

 

 

 

理事長 弘岡泰正

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