風が吹けば○○が儲かる

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 花粉症の季節です。世間では風が吹くと眼科や耳鼻科が儲かると思われていますが儲けているのは製薬会社やマスク屋さんのようです。ところで不景気風が吹くと泌尿器科が暇になったという話を最近耳にしました。押し寄せる大不況で家計が打撃を受け、医療費が払えない人や保険料が払えず必要な医療を受けられない人たちが爆発的に増加している話が報じられています。患者さんの減少は泌尿器科に限ったことではありませんが今まで増加の一途を辿り社会問題化していた性感染症の患者が昨年以降急に減っているらしいのです。

 

 

 やたらと裏情報に詳しい製薬会社のあるMR(医療情報提供者というお薬の宣伝マン)が声を潜めてその理由を教えてくれました。

 

 

 

 歌舞伎町というソドムのような地区を背景にした診療所では夏休み明けや年末年始ともなるとクラミヂアや淋病患者で大賑わいで、にわか勉強の即席泌尿器医まで登場し、一斉に抗生物質を投与して性病治療と製薬業界に貢献していたのです。一方で中途半端な抗生物質の投与で耐性菌がはびこり、クスリのさっぱり効かない性感染症が増えてしまい専門の泌尿器科の先生方を悩ます事にもなっていました。性感染症の若年化も著しく「性道徳の乱れは深刻だ。このままでは日本は大変です!」という専門医の声も聞かれました。

 

 

 

 ところがこのところ状況が一変し性感染症の患者が激減したようなのです。石原都知事や新宿区長の肝いりで歌舞伎町が健全化されつつあるようです。無念にもおなかが痛くて辞めた安部元総理は“美しい日本”を目指していましたが、ようやく道徳日本が花開いたのでしょうか?はたして青少年が急に健全になり、風俗店に行ったり男女不純桃色遊戯にいそしむ事を止めてしまったのでしょうか?

 

 

 

 その答えは不景気でした。今や性病科お得意様の青少年達は遊ぶ金が底を突き風俗店に行く事が出来ないため性衝動を自ら処理するようになり、性感染症の機会が減った事が原因だ、とかのMR氏は言うのです。何事も斜に構える私はこの話に少し不気味な感じをおぼえました。はたして泌尿器科受診の減少は罹患数が減ったためだけなのでしょうか?お金が無いために筒先から膿をたらしながらも医療機関を受診できず、病原菌を周囲に撒き散らしている若者もいるはずです。貧困と性感染症の関係はアフリカのエイズ問題を思い起こさせます。人々の無知と貧困で南アフリカでは国民の5人に一人がHIV感染者であり、アフリカの死亡原因の第一位はエイズという現実に唖然とさせられますが他人事ではありません。

 

 

 

 「国破れて山河あり、城春にして草木深し・・」という私の好きな杜甫の詩があります。戦後焼け野原から立ち上がって繁栄を築いた我々の親達の心意気と努力を思い合わせ感慨深いものがあります。しかしながら今や町に失業者が溢れ、さしずめ「障子破れて桟ばかり、飲み代張るにしてシケモク吹かし。」と終戦直後の哀れな時代に逆戻りの風情です。

 

 

 

 政治と性事はきれいでなくてはいけません。経済人が軽罪人になってはいけません。

わが国が政争に明け暮れて真の政治がなおざりとなり、国の枠組みだけがのこり、実態が破れかぶれのお粗末な国家にならぬ事を祈っております。

 

 

 

 

理事長 弘岡泰正

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