処方せんを見つめて

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 厚労省はジェネリック医薬品の使用頻度が思うように増えず、ついに先発品使用の際に、処方箋に医師の使用理由の書き込みが必要との方針を打ち出しました。患者さんにどのお薬を出そうかという専門家である医者の裁量権など完全無視です。医師会や製薬業界が直ちに反対の狼煙を上げると思いきや…これもダンマリを決め込んでおり、頼り無い事甚だしい限りです。

 小泉政権時の経済財政諮問会議が打ち出したいわゆる「骨太の方針」で「骨抜き」になったのでしょうか?いちいち反論するにも疲れ果てるほどの頻度で従来考えた事もない亡国的な医療の政策案が朝令暮改で次々と出てきますが、これも戦略でしょう。太った無気力な豚はお尻を慢性的に蚊に刺されているうちに感じなくなってしまいます。

 

 

 

 厚労省はなぜ必死にジェネリックを推奨しようとしているのでしょうか?一応表向きには膨張する薬剤費の削減という事になっていますが、果たしてそれだけか検証する必要があります。小泉前総理があるラジオ番組の中でジェネリック薬品を推奨し「皆さんブランド物のバッグでも見た目が同じで質が同じようなものであれば安い方を買うでしょ。ジェネリック薬品もそれと同じですよ!」と何やら海賊贋ブランド品を推薦するが如き話しをしていて驚いた事がありました。TVコマーシャルでは先発品とジェネリックが全く質が同じような話を流しています。

 薬は錠剤化したりカプセル化したりして体の中に入り、都合よく解けて効率よく吸収されて効果を発揮します。この工程には各社とも大変なノウハウがあり工夫をこらしています。ちょっと前にはジェネリックのカプセルが体の中で溶けずにそのままお尻から出てきたという話もありました。薬が体の中でどの程度有効に溶けて血液中に入るかを見る溶出試験という検査がありますが、この検査が義務づけられたのは驚く事に国がジェネリックを推奨し始めた後で、ほんの数年前の事です。H2ブロッカーという胃薬がありますが先発品の溶出試験の結果は5分ですが、ジェネリック製品にはバラつきがあり長いものでは33分を要していました。

 この結果は公表すべきであると先発品メーカーに迫ったのですが、公表すると厚労省からジェネリック推進の妨げになるとの事でストップがかかったという話です。役人の面子の前に国民の知る権利が脅かされたわけです。

 

 

 

 実際に私の所で血流障害を起こした人に用いるプロスタグランデインという薬剤を投与して足の血流が改善に向かっていた患者がいましたが、その後ジェネリックを使うことになった大学病院に行き、同じ物だと投与された夜に血流障害が憎悪して足が壊死になりかけて来院したことがありました。大学病院の医者は「ジェネリック使用は病院の方針だったので変更してしまい申し訳ありませんでした。」と謝り元の先発品に戻したそうですが、足の色は青黒く変色したままです。このように先発品とジェネリックは必ずしも同等とはいえないのです。

 

 

 

 わが国の様々な政策は米国からの圧力で左右される事は周知の事実です。年毎に年次要望書という宿題が出されるそうですが、その最たるものの一つは国防予算で米国から高価な武器が対北朝鮮、対中国などの防衛目的で購入され米国の軍事産業を潤わせます。さらに米軍基地の沖縄からグアム島への移転費用まで用心棒代として支払われます。

医療にも米国からの年次要望書が突きつけられている事は間違いないでしょう。

 国内の先発品メーカーはジェネリックに押され経営不振となり、巨額な開発費を有する米国のメーカーにほとんど吸収合併される事でしょう。また海外のジェネリックメーカーも日本市場に鵜の目鷹の目です。このままですと米国政府が後押しする米国の医療・医薬品保険会社、チェーン病院が日本を席巻するのも時間の問題です。

 ある厚生省の元高級官僚が「そのうちわが国の薬が海外のジェネリック薬品に置き換わった場合、戦争やハリケーン、地震などの自然災害で海外からの薬品の輸入が途切れると国内の在庫はあっという間に底をつき、国民の多くが薬切れで悲惨な事になる可能性がある。」と言っていましたが現在の厚労省がそこまでの危機管理を考えているとは思えません。

 

 まずとりあえず政府与党の政治家、厚労省の役人にはジェネリックを優先して使ってもらいましょう。

 

 

 

理事長 弘岡泰正

 厚労省はジェネリック医薬品の使用頻度が思うように増えず、ついに先発品使用の際に、処方箋に医師の使用理由の書き込みが必要との方針を打ち出しました。患者さんにどのお薬を出そうかという専門家である医者の裁量権など完全無視です。医師会や製薬業界が直ちに反対の狼煙を上げると思いきや…これもダンマリを決め込んでおり、頼り無い事甚だしい限りです。

 小泉政権時の経済財政諮問会議が打ち出したいわゆる「骨太の方針」で「骨抜き」になったのでしょうか?いちいち反論するにも疲れ果てるほどの頻度で従来考えた事もない亡国的な医療の政策案が朝令暮改で次々と出てきますが、これも戦略でしょう。太った無気力な豚はお尻を慢性的に蚊に刺されているうちに感じなくなってしまいます。

 

 

 

 厚労省はなぜ必死にジェネリックを推奨しようとしているのでしょうか?一応表向きには膨張する薬剤費の削減という事になっていますが、果たしてそれだけか検証する必要があります。小泉前総理があるラジオ番組の中でジェネリック薬品を推奨し「皆さんブランド物のバッグでも見た目が同じで質が同じようなものであれば安い方を買うでしょ。ジェネリック薬品もそれと同じですよ!」と何やら海賊贋ブランド品を推薦するが如き話しをしていて驚いた事がありました。TVコマーシャルでは先発品とジェネリックが全く質が同じような話を流しています。

 薬は錠剤化したりカプセル化したりして体の中に入り、都合よく解けて効率よく吸収されて効果を発揮します。この工程には各社とも大変なノウハウがあり工夫をこらしています。ちょっと前にはジェネリックのカプセルが体の中で溶けずにそのままお尻から出てきたという話もありました。薬が体の中でどの程度有効に溶けて血液中に入るかを見る溶出試験という検査がありますが、この検査が義務づけられたのは驚く事に国がジェネリックを推奨し始めた後で、ほんの数年前の事です。H2ブロッカーという胃薬がありますが先発品の溶出試験の結果は5分ですが、ジェネリック製品にはバラつきがあり長いものでは33分を要していました。

 この結果は公表すべきであると先発品メーカーに迫ったのですが、公表すると厚労省からジェネリック推進の妨げになるとの事でストップがかかったという話です。役人の面子の前に国民の知る権利が脅かされたわけです。

 

 

 

 実際に私の所で血流障害を起こした人に用いるプロスタグランデインという薬剤を投与して足の血流が改善に向かっていた患者がいましたが、その後ジェネリックを使うことになった大学病院に行き、同じ物だと投与された夜に血流障害が憎悪して足が壊死になりかけて来院したことがありました。大学病院の医者は「ジェネリック使用は病院の方針だったので変更してしまい申し訳ありませんでした。」と謝り元の先発品に戻したそうですが、足の色は青黒く変色したままです。このように先発品とジェネリックは必ずしも同等とはいえないのです。

 

 

 

 わが国の様々な政策は米国からの圧力で左右される事は周知の事実です。年毎に年次要望書という宿題が出されるそうですが、その最たるものの一つは国防予算で米国から高価な武器が対北朝鮮、対中国などの防衛目的で購入され米国の軍事産業を潤わせます。さらに米軍基地の沖縄からグアム島への移転費用まで用心棒代として支払われます。

医療にも米国からの年次要望書が突きつけられている事は間違いないでしょう。

 国内の先発品メーカーはジェネリックに押され経営不振となり、巨額な開発費を有する米国のメーカーにほとんど吸収合併される事でしょう。また海外のジェネリックメーカーも日本市場に鵜の目鷹の目です。このままですと米国政府が後押しする米国の医療・医薬品保険会社、チェーン病院が日本を席巻するのも時間の問題です。

 ある厚生省の元高級官僚が「そのうちわが国の薬が海外のジェネリック薬品に置き換わった場合、戦争やハリケーン、地震などの自然災害で海外からの薬品の輸入が途切れると国内の在庫はあっという間に底をつき、国民の多くが薬切れで悲惨な事になる可能性がある。」と言っていましたが現在の厚労省がそこまでの危機管理を考えているとは思えません。

 

 まずとりあえず政府与党の政治家、厚労省の役人にはジェネリックを優先して使ってもらいましょう。

 

 

 

理事長 弘岡泰正

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