心臓と血管の健康状態を調べる【循環器ドック】とは

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循環器とは心臓と血管のことです。この2つは血液の循環に関わっているので循環器といいます。

循環器ドックは、人間ドックのうち特に循環器を集中的に調べる内容になっています。

ヒロオカクリニックの循環器ドック(当院では心臓ドックと呼んでいます)を紹介しながら、循環器の健康を徹底的に調べる意義を考えていきます。

当院の心臓ドックの紹介

ヒロオカクリニックの心臓ドック(循環器ドック)の検査メニューはこのようになっています。

<ヒロオカクリニックの心臓ドックの検査メニュー>
・問診・診察
・身長・体重・BMI・腹囲
★血圧測定
★胸部X線撮影
★心臓超音波検査
★心電図(安静時心電図・心拍数・負荷心電図)
★心臓病検査「BNP」
・肺機能検査
・胃部X線検査
・血液検査

このうち「★」は循環器を診るために行いますので、1つずつ確認していきます。

血圧測定で何がわかるのか

血圧測定は循環器ドックに限らず、すべてのドックや健康診断で基本的な検査として行なわれています。それだけ重要な検査といえます。

血圧測定でわかることは、高血圧かどうかです。細かい基準はありますが、収縮期血圧(いわゆる上)が140mmHg以上、拡張期血圧(いわゆる下)が90mmHg以上になると高血圧症と診断されます。

高血圧症は、血管が常に血液から圧を受けている状態にあるので、それに対抗しようと血管の壁が厚くなったり固くなったりします。これが動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、眼底出血といった血管の重大な病気につながってしまいます。

そして、血圧が高いと心臓に負担がかかります。それが心臓肥大を引き起こし、心不全につながる危険があります。

血圧測定はベルトを腕に巻くだけなので簡単なのですが、そこから得られる情報はとても重要です。

胸部X線撮影で何がわかるのか

胸部X線撮影をすることで、心臓の大きさがわかります。心臓が大きいことがわかると、先ほど紹介した、心不全の前兆である心臓肥大が疑われます。

ただ、心臓肥大は、心臓をつくっている心筋という筋肉が厚くなる状態を指すのですが、X線では心筋の厚さまではわかりません。

それで胸部X線撮影に加えて心臓超音波検査が必要になります。

なお胸部X線撮影では、肺の状態も診ます。肺結核、肺炎、気管支炎、肺気腫、気胸、胸膜炎、肺線維症、胸部大動脈瘤などがわかることがあります。

心臓超音波検査で何がわかるのか

心臓超音波検査心エコーと呼ぶことがあります。

この検査では、心臓の心筋の厚さがわかります。

胸部X線撮影で心臓が大きくなっていることがわかり、心エコーで心筋が厚くなっていることがわかれば心臓肥大がほぼ確定します。

心エコーは心臓の動きをライブでみることができるので、動きの悪さを確認することができます。心エコーによって狭心症、心筋梗塞、心筋症、心筋炎などの疑いがあるかどうかがわかります。

さらに心エコーは心臓内の弁の動きもわかります。

心臓内の弁は、血液を送り出し、血液の逆流を防ぐという重要な役割を担っています。心エコーによって弁が硬くなって開きづらい状態や、弁が緩くなって血液の逆流が起きている状態を確認することができます。これらが進行すると弁膜症という重い病気になってしまいます。

心電図で何がわかるのか

心電図検査は、心電計という装置で行います。心電計について「電気を発して調べている」と勘違いしている方がいますが、その逆です。心電計は、心臓の心筋が発する微弱な電気信号を拾って、それを波形の図にします。波形の図のことを心電図といい、医師は「波の形」で病気を推定します。

心電図検査で疑われる病気は次のとおりです。

<心電図検査で疑われる病気>
●不整脈●虚血性心疾患●狭心症●心筋梗塞●心臓肥大●心筋症●心不全●心房細動

ヒロオカクリニックの心臓ドックの心電図検査では、1)安静時心電図、2)心拍数、3)負荷心電図、の3つを行います。

安静時心電図検査は、横になってリラックスした状態で受けます。胸、手首、足首に電極をつけて、1分ほど波形を取ります。これにより心臓肥大、心筋梗塞、不整脈などの疑いがわかります。

心拍数検査は、安静時心電図検査と同時に行なっています。心拍数検査だけで行うことはありません。
心拍とは、心臓の「ドクン」という動きのことで、これを拍動といいます。心拍の間隔が短いと、心筋梗塞や狭心症、心房細動などが疑われます。また心拍のリズムが悪いと不整脈が疑われます。

負荷心電図検査は、ルームランナーなどを使って運動してもらいながら心電図を取る検査です。運動によって心臓に負荷をかけているので、この名称になっています。

安静時は正常なのに、運動中や仕事中に胸の痛みを訴えたり不整脈を起こしたりする人がいます。そのため心臓に負荷をかけた状態で心電図を取る必要があるわけです。

心臓病検査「BNP」で何がわかるのか

心臓病検査「BNP」は、心臓でつくられるBNPというホルモンを測定します。BNPはBrain Natriuretic Peptideの略称で、脳性ナトリウム利尿ペプチドと訳されます。

心臓への負荷が増えていたり、心臓肥大が起きていたりすると、血中のBNPの量が増えます。BNPが増えていると、心不全が疑われます。

BNP検査は、採血して行います。

なぜたくさん検査するのか

循環器ドックの検査項目は多いほうです。これほどたくさん検査をするのは、心臓が診にくい臓器であり、心臓が極めて重要な臓器だからです。

心臓には4つの部屋があり、4つの弁があります。この計8つの要素がうまく連係しているときに初めて血液は体内を順調に流れることができます。

・心臓の部屋:右心房、右心室、左心房、左心室
・心臓の弁:肺動脈弁、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁

そして心臓には、筋肉でできているという特殊性があります。

特殊かつ複雑な仕組みなので、多角的に心臓を調べる必要があり、それで検査項目が増えてしまいます。

まとめ~「循環器を検査しなかったら」と考える

循環器ドック(心臓ドック)のそれぞれの検査の重要性は「循環器を検査しなかったら」と考えると理解できると思います。

循環器を検査しなかったら、血圧が上がりっぱなしになったり、動脈硬化が進んだり、不整脈が発生したりしているかもしれません。高血圧の初期も、動脈硬化の初期も、不整脈の初期もほとんど症状がないからです。本人が初期症状をとらえることはほぼ不可能です。

循環器を「がっちり」検査すれば、心臓や血管の病気の初期をとらえることができ、早期に治療に取りかかることができます。

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