糖尿病は理屈で防ごう「原因を知れば予防に取りかかることができる」

INDEX

・肥満になると糖尿病のリスクが高まる
・甘いものは糖尿病によくない
・運動不足は糖尿病につながる

これは誰もが知っている、糖尿病の常識だと思います。

それでもダイエットができなかったり、スイーツを食べすぎたり、運動をサボったりしてしまう人がいます。

糖尿病がより重大な病気を引き起こすことを知っていても、です。

糖尿病予防をサボってしまうのは、病気の原因が病気の結果につながるルート(道筋)がみえていないからではないでしょうか。

さまざまな原因が糖尿病を引き起こす理屈がわかると、理屈で「予防しなければならないな」と思えるはずです。

糖尿病は発症メカニズムがかなり解明されているので、理屈で理解しやすい病気といえます。

なぜ肥満(原因)が糖尿病(結果)を引き起こすのか

肥満になるとなぜ、糖尿病が発症しやすくなるのでしょうか。

肥満から糖尿病へのルートは、2本あります。

1本目は「肥満→内臓脂肪増→アディポカイン→インスリン抵抗性→糖尿病」というルートです。

2本目は「肥満→糖を摂りすぎている→血糖値上昇→糖尿病」ルートです。

1つずつ解説していきます。

「肥満→内臓脂肪増→アディポカイン→インスリン抵抗性→糖尿病」ルート

肥満の人の多くは、内臓にべったり張りつく内臓脂肪が増える傾向にあります。内臓脂肪の増加は、脂肪細胞の増加を意味します。

この脂肪細胞が「悪さ」をします。

脂肪細胞はアディポカインというタンパク質を分泌していて、脂肪細胞が増えるとアディポカインも増えてしまいます。

アディポカインにはインスリンの効果を弱める作用があります。

インスリンは、糖尿病を抑制する働きがあります。

インスリンは、体内の細胞が血液中の糖を取り込むのを助けるホルモンなので、インスリンが働いていると血液中の糖がしっかり消費され糖尿病が起きません。

したがって、アディポカインがインスリンの働きを妨げると、糖尿病につながってしまいます。

アディポカインによってインスリンの効果が弱まることを、インスリン抵抗性が発生した、といいます。

アディポカインを増やさないために脂肪細胞を増やさないようにして、そのために肥満解消に努めましょう。

「肥満→糖を摂りすぎている→血糖値上昇→糖尿病」ルート

肥満の人は、を摂りすぎる傾向にあります。

このようにいうと「砂糖をなるべく摂らないようにしている」と思う人がいるかもしれませんが、砂糖の摂取量を減らすことも大切なのですが、それより重要なのは炭水化物を食べる量を減らすことです。

炭水化物は糖質と食物繊維でできているので、コメやパンなどを食べるのは糖を食べているようなものと考えることができます。

炭水化物を摂りすぎると、血液に大量の糖が流れ込み、細胞では消化しきれなくなります。それで血糖値が上昇します。

この状態が継続、悪化すると糖尿病になります。

だから食事療法が糖尿病の治療法になる

糖尿病治療の3本柱は、食事療法、運動療法、薬物療法です。

薬と同じくらい食生活の改善が重要という意味です。

食事で肥満を改善することもできますし、炭水化物や糖を少なくする食事も重要です。

なぜ運動不足(原因)が糖尿病(結果)を引き起こすのか

運動不足が糖尿病にたどり着くルートも2つあります。

1本目は「運動不足→肥満→糖尿病」ルートで、これは先ほど解説したとおりです。

2本目は「運動不足→インスリン抵抗性が起きる→糖尿病」というルートです。

ここでは2本目のルートをみていきます。

「運動不足→インスリン抵抗性が起きる→糖尿病」ルート

運動不足が続くと、体内のPGC-1αという物質が減ります。PGC-1αが減ると細胞内のミトコンドリアが弱体化することがわかっています。

PGC-1αは聞き慣れないと思いますが、ミトコンドリアは高校の生物などで出てくるのでご存知の方も多いでしょう。

ミトコンドリアは細胞のなかの要素の1つで、有機物質からエネルギーを取り出す作用があります。生物が生きているのは、体を構成している細胞が生きているからで、細胞が生きているのはミトコンドリアがエネルギーをつくっているからです。

人が生きているのは、ミトコンドリアがエネルギーをつくっているからです。

そのため、ミトコンドリアが弱ると、細胞はエネルギーをつくることができません。つまり、たくさん食べ物を食べても、食べ物のエネルギーを細胞が取り込めなくなります。

血中に糖がたくさんあっても、細胞がそれを「食べない」ので余ってしまいます。それでも糖の摂取をやめないと、血糖値が上がって糖尿病になります

この過程で脂肪細胞も増えるので、インスリン抵抗性が起きてやはり糖尿病になりやすくなります。

「ミトコンドリアを増やすために運動しよう」と思って頑張る

「よし、ミトコンドリアを増やすために運動をしよう」と思って運動する人は多くないと思いますが、この気持ちは糖尿病予防には大切です。

運動不足はミトコンドリアの弱体化を招きますが、運動はミトコンドリアを強化します。特に有酸素運動はミトコンドリアを鍛えます。

運動をすると筋肉が大量のエネルギーを必要とするので、ミトコンドリアが活性化されるからです。

また、運動によって筋肉が増えると、ミトコンドリアも増えるので、さらにエネルギーを多くつくることができます。すなわち、血中の糖を大量に消費できます。それで血糖値が下がり糖尿病予防になったり、糖尿病が改善したりすることが期待できます。

まとめ~知ればできる

さまざまな原因が糖尿病という結果を生む理屈を紹介しました。

この理屈を逆にすれば、原因を除去することこそ、糖尿病予防・糖尿病改善につながることがわかります。

このようになります。

・糖尿病を予防・改善したい→インスリン抵抗性を起こさないようにしなければならない→アディポカインを増やしてはいけない→脂肪細胞を減らさないとならない→内臓脂肪を減らさないとならない→肥満を解消しなければならない

・糖尿病を予防・改善したい→細胞が血中の糖をたくさん消費できるようにしなければならない→炭水化物の糖質で血糖値を上げてはいけない→炭水化物を食べる量を減らさないとならない

・糖尿病を予防・改善したい→肥満を解消しなければならない→運動しなければならない

・糖尿病を予防・改善したい→インスリン抵抗性を起こさないようにしなければならない→ミトコンドリアを鍛えなければならない→運動をしなければならない

「なんのためにこれをやらなければならないのか」が明確にわかっていれば、人は真剣に取り組めるものです。

病気の知識は治療と予防に役立つはずです。

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