新型コロナウイルス感染症対策における自宅療養の位置づけとは

INDEX

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)において、自宅療養中に死亡するという痛ましい出来事が起きています(*1)。

コロナ感染症は病気なのに患者さんがすぐに病院に行けないのは、医療が逼迫しているためです。軽症者が病院に押し寄せてしまうと救える命が救えない状況に陥ってしまいます(*2)。

そのため政府や自治体は、軽症者には自宅などで療養してもらうことにしています(*3)。

コロナ禍における自宅療養の位置づけと、自宅療養で行なわれることを解説します。

厚労省が考える「コロナ自宅療養」とは

コロナ感染症は重症化すると死亡する危険があります。政府や自治体が、死亡するリスクがある病気を発症した患者さんに自宅療養を依頼するのは異例です。「コロナ自宅療養」は、コロナ禍における医療の逼迫が深刻であることを示しています。

厚生労働省は自宅療養を依頼する理由について次のように説明しています(*3)。

・コロナ感染症では本来は、入院が必要でない軽症者にも感染防止の観点から入院をすすめている
・しかし、感染者が増加するなかで軽症者に入院をすすめていると、重症者や重症化リスクが高い人の病床を確保できなくなることが想定される
・そこで感染者が増加したら都道府県は、重症者を優先的に入院させる体制に移行する
・都道府県がそのような体制に移行したら、軽症者には自宅療養または宿泊施設療養をしていただく

軽症であろうと入院が原則だが、感染者が増えたら重症者のために病院のベッドを用意しないといけないから、例外的に軽症者には自宅療養または宿泊施設療養(以下、自宅療養など)をしてもらう、というスタンスであることがわかります。

誰が自宅療養をするのか

自宅療養の対象者の条件は、軽症以外にも次のようなものがあります(*3)。

<自宅療養の対象になる人の条件>
軽症である
・次の8つの要件に該当しない
1)65歳以上
2)呼吸器疾患を有する
3)腎臓疾患、心臓疾患、血管疾患、糖尿病、高血圧症、肥満などにより臓器などの機能が低下しているおそれがある人
4)臓器の移植、免疫抑制剤、抗がん剤の使用などで免疫の機能が低下しているおそれがある人
5)妊婦
6)コロナ感染症の症状が重度または中等度の人
7)医師が入院させる必要があると認める
8)都道府県知事などがまん延を防止するため入院が必要であると認めた人

重症化リスクがあっても入院できない場合がある

上記の8要件は、重症化リスクです。8要件に該当する人は、今は軽症であっても重症化するリスクが高いため自宅療養をすすめない、というのが原則です。

しかし、重症化リスクを抱えている軽症者に対しても、自宅療養などを依頼することがあります。それは、次の状況に陥ったときです(*3)。

<重症化リスクがある軽症者でも自宅療養などをすすめる場合>
・都道府県が病床確保や入院調整に最大限努力したうえでもなお、病床が逼迫する場合
医師が入院の必要がないと判断した場合
・自宅や宿泊施設で丁寧な健康観察を行える場合

1)医療の逼迫(空き病床がない)、2)医師の判断、3)健康観察の3条件を満たす場合、重症化リスクがある軽症者でも、自宅療養などになります。

自宅療養の重要なポイントは健康観察になりますので、あとで詳しく紹介します。

自宅療養での療養とは:健康観察がポイント

自宅療養は、単に自宅に居る状態ではありません。

自宅療養するかどうかは医師が判断しますが、自宅療養が決まると、その患者さんは外出してはいけません。つまり、「自宅に居る」のではなく「自宅だけに居なければならない」のです。

そして自宅療養の療養とは、保健所によるケアです。保健所は自宅療養が決まった患者さんに対して、1日1回、体温、咳、鼻汁、倦怠感、息苦しさの状態を尋ねます。

これが健康観察になります。

保健所はこの健康観察を通じて、自宅療養者の症状が悪化したら医療機関を紹介します。

自宅療養での注意点

自宅療養では、対象者(軽症者)は次のように過ごしてください。

外出はしない
個室で過ごす
・自宅内でも行動範囲は最小限
同居家族との接触は最小限に
・リネン、タオル、食器は同居家族と共用しない
・不要不急の訪問者は受け入れない
・トイレと風呂は清掃と換気を十分行う
・対象者が触れるものは1日1回以上清掃する

まとめ~保健所との連絡を絶やさないように

医療が逼迫していなければ、厚生労働省は、軽症者にも入院していただきたいと考えています。しかし、医療が逼迫した場合は、軽症者には自宅療養などで対応していただきます。

そして保健所による健康観察によって、自宅療養などをしている方の異常を発見できたら、次のステップに進んでいただきます。

自宅療養などをしている人には、保健所とのつながりが「命綱」になります。連絡を絶やさないようにしてください。

 

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