人間ドックはなぜ必要か 何の検査をするのか 何歳から受けるべきか にお答えします

INDEX

 

人間ドックは、健康診断の「最強バージョン」ということができます。

健康診断には、企業が従業員に行う定期健康診断や、自治体が国民健康保険加入者に実施する特定健康診査がありますが、これらの検査項目は10程度です。

しかし人間ドックの検査項目はゆうに40項目はあります。検査項目の内容と数は医療機関によって異なり、多いところでは100項目というところもあります。

 

人間ドックと定期健康診断で同じ臓器を調べて、定期健康診断で見逃していた病気が人間ドックで見つかる、といったことも起こり得ます。

それは検査方法が異なるからです。

 

ここでは人間ドックがなぜ必要か、どのような検査をしているのか、何歳から受けるべきなのか、などを解説します。

 

 

人間ドックは定期健診の不足を補う

 

日本人間ドック学会は、人々が人間ドックを受ける目的は、糖尿病、高血圧症、高脂血症、がんなどの病気をみつけることである、と説明しています(*1)。

人間ドックを受ければ、自覚症状が出ない病気を早期にみつけたり、すでに発症している病気の病状の経緯をみたり、合併症の発症の有無を調べたりすることができます。

 

定期健康診断も同じ目的を持っていますが、検査内容が10項目ほどと少ないので、体全体をチェックするには限界があります。

定期健康診断で異常がみつかったら、精密検査を受けることになります。そこから治療がスタートします。

しかし、病気が潜んでいるのに定期健康診断で異常を検知できなければ、その病気は放置されてしまいます。

それを防ぐのが人間ドックです。人間ドックには定期健康診断で足りない部分を補う役割があります。

 

これらが、人間ドックを受診する目的であり、メリットになります。

 

 

人間ドックの検査項目は「自由自在」

 

人間ドックの検査項目は、実施する医療機関が自由に決めることができます。半日で終わる人間ドックもありますし、病院に数日泊まって検査を続けるタイプもあります。

そのため「これが人間ドックです」と示すことは簡単ではありません。

 

そこでこの記事では、東京大学医学部附属病院(以下、東大病院)の人間ドックがどのような検査を行っているのか、確認していましょう(*2)。

 

 

東大病院の人間ドックをみてみよう

 

東大病院には予防医学センターという機関があり、そこで人間ドックを行っています。

東大病院の人間ドックは、受診者全員が受ける基本検診だけで、次の16項目があります。

 

・問診

・身体計測:身長、体重、BMI、体脂肪率、腹囲、血圧、脈拍

・視力検査

・眼圧検査

・眼底検査

・聴力検査

・★血液検査

・検尿:蛋白、糖、潜血、ウロビリノーゲン、PH、比重、アセトン体

・便潜血

・呼吸機能検査:努力性肺活量、%肺活量、1秒量、1秒率

・骨密度

・心電図

・胸部X線

・上腹部超音波:肝臓、胆臓、膵臓、脾臓、腎臓

・上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)

・内科診察:結果説明、生活指導、栄養指導

 

このラインナップだけでも「普通の健康診断ではない」と感じることができるでしょう。注目したいのは血液検査です。定期健康診断で血液検査は行いますが、チェックする項目数が全然違います。

東大病院の人間ドックの血液検査では、次の項目を調べます。

 

・血液一般:赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCH、MCV、MCHC、血小板数

・肝機能:総蛋白、アルブミン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン、ALP、LDH、コリンエステラーゼ

・腎機能:BUN、クレアチニン、eGFR

・糖:空腹時血糖、ヘモグロビンA1c

・血清脂質:総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、non-HDLコレステロール、中性脂肪

・血清反応:CRP、RF

・感染症:TPAb、HBs抗原、HCV抗体

・甲状腺:TSH、FT4

・腫瘍マーカー:CEA、CA125(女性のみ)、PSA(男性のみ)

・その他の生化学検査:血清アミラーゼ、尿酸、Na、K、Cl、Ca、P、Fe

・血液型(ABO・RH)(初回のみ)

 

そして希望者は、次の検査をオプションで追加することができます。

 

・心血管ドック

・脳血管ドック

・物忘れ検診

・肺がん検診

・下部消化管内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)

・子宮がん検診(子宮頚がん)

・乳がん検診

・膵がんドック

・★腫瘍マーカー検診:AFP、CA19-9、CA15-3(女性のみ)、NSE、エラスターゼ1、SCC、フェリチン、CYFRA

・胃がんリスク検診

 

基本検診では上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)まででしたが、オプションで下部消化管内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)を受けることができます。

また、基本検診の腫瘍マーカー検診は3項目しか調べませんが、オプションの腫瘍マーカー検診を受ければ、さらに8項目を追加して調べてもらえます。

 

定期健康診断では胃カメラも大腸カメラも腫瘍マーカー検診も行なわないので、人間ドックを受ける意義と、そこからさらにオプションを加える意義は十分あるといえます。

 

 

当院の精密ドックについて

 

ここで、当院ヒロオカクリニックの精密ドックについて簡単にご説明します。

ヒロオカクリニックでは上記東大病院の検査項目の内、

 

  • 検尿:比重、アセトン体
  • 甲状腺:TSH、FT4
  • 血液型(ABO・RH)(初回のみ)

 

以外のすべての検査項目に対応しております。(オプション追加可能)

また、東大病院の項目に含まれていない

 

  • 感染症:HBs抗体、RPR定性
  • 腫瘍マーカー:AFP
  • 心臓病検査:PSA

 

の検査が当院の精密ドックには含まれております。

当院の人間ドックのご予約はこちら

 

人間ドックをどこで受けるか

 

人間ドックは民間の医療機関も力を入れています。

人間ドック・健診機関の紹介サイトであるMRSO()等のサイトではご希望のコースや立地により健診機関を検索することができます。

 

 

20歳から受診可能

 

人間ドックは通常、20歳以上を対象にしています。しかし、「健康状態に自信がある」20代は、あまり受けていないのが実情です(*3)。

例えば静岡県予防医学協会が運営する総合検診センターで2019年度に人間ドックを受診した12,940人のうち、20代は93人で0.7%でしたが、30代になると8.9%(1,157人)に急増し、40代は32.6%(4,222人)とさらに急激に上がります。50代は35.0%(4,526人)でした(*4)。

 

「人間ドックは何歳から受けるべきか」という質問の答えを出すことは簡単ではありません。ただ、胃がんの患者数は50歳から増加する、大腸がんの患者数は30代前半から増加する、といった統計結果は参考になるはずです(*5*6)。

こうした数字を確認しながら、なるべく早い、よいタイミングで受診してみてはいかがでしょうか。

 

 

人間ドックは「高い」のか

 

人間ドックは公的医療保険を使うことができないので、全額本人が負担することになります。料金は検査内容や医療機関によってまちまちで、数万円で済む場合もあれば、50万円以上することもあります。

 

「安い」とはいえない額ですが、しかし「高い」という認識も正しくないでしょう。なぜなら、人間ドックで重大な病気をみつけることができれば、早期治療ができるため、重症化したときの治療費より安く済みますし、何より治る可能性が高くなります。

人間ドックの費用の安い・高いの感覚は人それぞれといえるでしょう。

 

 

まとめ~仕事や生活を中断して調べる

 

人間ドックの「ドック」の由来は、船を点検、修理する大型の工場です。ドックに入った船は陸上にあげられ、普段できない点検をして、大規模修理を行います。それで新しい航海に耐えられる船体に生まれ変わるわけです。

人間ドックでも、仕事や普段の生活を半日から数日間休み、医療機関に入って、体の隅々まで、そしてさまざまな角度から検査します。そうすることで、次の仕事や生活に耐えられる健康をつくることができます。

 

 

新宿区で健康診断・人間ドック:ヒロオカクリニックの健診・人間ドックについて詳しく見る

人間ドックは、健康診断の「最強バージョン」ということができます。

健康診断には、企業が従業員に行う定期健康診断や、自治体が国民健康保険加入者に実施する特定健康診査がありますが、これらの検査項目は10程度です。
しかし人間ドックの検査項目はゆうに40項目はあります。検査項目の内容と数は医療機関によって異なり、多いところでは100項目というところもあります。
人間ドックと定期健康診断で同じ臓器を調べて、定期健康診断で見逃していた病気が人間ドックで見つかる、といったことも起こり得ます。
それは検査方法が異なるからです。

ここでは人間ドックがなぜ必要か、どのような検査をしているのか、何歳から受けるべきなのか、などを解説します。

人間ドックは定期健診の不足を補う

日本人間ドック学会は、人々が人間ドックを受ける目的は、糖尿病、高血圧症、高脂血症、がんなどの病気をみつけることである、と説明しています(*1)。
人間ドックを受ければ、自覚症状が出ない病気を早期にみつけたり、すでに発症している病気の病状の経緯をみたり、合併症の発症の有無を調べたりすることができます。

定期健康診断も同じ目的を持っていますが、検査内容が10項目ほどと少ないので、体全体をチェックするには限界があります。
定期健康診断で異常がみつかったら、精密検査を受けることになります。そこから治療がスタートします。
しかし、病気が潜んでいるのに定期健康診断で異常を検知できなければ、その病気は放置されてしまいます。

それを防ぐのが人間ドックです。人間ドックには定期健康診断で足りない部分を補う役割があります。
これらが、人間ドックを受診する目的であり、メリットになります。

人間ドックの検査項目は「自由自在」

人間ドックの検査項目は、実施する医療機関が自由に決めることができます。半日で終わる人間ドックもありますし、病院に数日泊まって検査を続けるタイプもあります。
そのため「これが人間ドックです」と示すことは簡単ではありません。
そこでこの記事では、東京大学医学部附属病院(以下、東大病院)の人間ドックがどのような検査を行っているのか、確認していましょう(*2)。

東大病院の人間ドックをみてみよう

東大病院には予防医学センターという機関があり、そこで人間ドックを行っています。
東大病院の人間ドックは、受診者全員が受ける基本検診だけで、次の16項目があります。

・問診
・身体計測:身長、体重、BMI、体脂肪率、腹囲、血圧、脈拍
・視力検査
・眼圧検査
・眼底検査
・聴力検査
・★血液検査
・検尿:蛋白、糖、潜血、ウロビリノーゲン、PH、比重、アセトン体
・便潜血
・呼吸機能検査:努力性肺活量、%肺活量、1秒量、1秒率
・骨密度
・心電図
・胸部X線
・上腹部超音波:肝臓、胆臓、膵臓、脾臓、腎臓
・上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)
・内科診察:結果説明、生活指導、栄養指導

このラインナップだけでも「普通の健康診断ではない」と感じることができるでしょう。注目したいのは血液検査です。定期健康診断で血液検査は行いますが、チェックする項目数が全然違います。

東大病院の人間ドックの血液検査では、次の項目を調べます。

・血液一般:赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCH、MCV、MCHC、血小板数
・肝機能:総蛋白、アルブミン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン、ALP、LDH、コリンエステラーゼ
・腎機能:BUN、クレアチニン、eGFR
・糖:空腹時血糖、ヘモグロビンA1c
・血清脂質:総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、non-HDLコレステロール、中性脂肪
・血清反応:CRP、RF
・感染症:TPAb、HBs抗原、HCV抗体
・甲状腺:TSH、FT4
・腫瘍マーカー:CEA、CA125(女性のみ)、PSA(男性のみ)
・その他の生化学検査:血清アミラーゼ、尿酸、Na、K、Cl、Ca、P、Fe
・血液型(ABO・RH)(初回のみ)

そして希望者は、次の検査をオプションで追加することができます。

・心血管ドック
・脳血管ドック
・物忘れ検診
・肺がん検診
・下部消化管内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)
・子宮がん検診(子宮頚がん)
・乳がん検診
・膵がんドック
・★腫瘍マーカー検診:AFP、CA19-9、CA15-3(女性のみ)、NSE、エラスターゼ1、SCC、フェリチン、CYFRA
・胃がんリスク検診

基本検診では上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)まででしたが、オプションで下部消化管内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)を受けることができます。
また、基本検診の腫瘍マーカー検診は3項目しか調べませんが、オプションの腫瘍マーカー検診を受ければ、さらに8項目を追加して調べてもらえます。
定期健康診断では胃カメラも大腸カメラも腫瘍マーカー検診も行なわないので、人間ドックを受ける意義と、そこからさらにオプションを加える意義は十分あるといえます。

当院の精密ドックについて

ここで、当院ヒロオカクリニックの精密ドックについて簡単にご説明します。
ヒロオカクリニックでは上記東大病院の検査項目の内、

・検尿:比重、アセトン体
・甲状腺:TSH、FT4
・血液型(ABO・RH)(初回のみ)

以外のすべての検査項目に対応しております。(オプション追加可能)

また、東大病院の項目に含まれていない

・感染症:HBs抗体、RPR定性
・腫瘍マーカー:AFP
・心臓病検査:PSA

の検査が当院の精密ドックには含まれております。

当院の人間ドックのご予約はこちら

人間ドックをどこで受けるか

人間ドックは民間の医療機関も力を入れています。
人間ドック・健診機関の紹介サイトであるMRSO()等のサイトではご希望のコースや立地により健診機関を検索することができます。

20歳から受診可能

人間ドックは通常、20歳以上を対象にしています。しかし、「健康状態に自信がある」20代は、あまり受けていないのが実情です(*3)。
例えば静岡県予防医学協会が運営する総合検診センターで2019年度に人間ドックを受診した12,940人のうち、20代は93人で0.7%でしたが、30代になると8.9%(1,157人)に急増し、40代は32.6%(4,222人)とさらに急激に上がります。50代は35.0%(4,526人)でした(*4)。
「人間ドックは何歳から受けるべきか」という質問の答えを出すことは簡単ではありません。ただ、胃がんの患者数は50歳から増加する、大腸がんの患者数は30代前半から増加する、といった統計結果は参考になるはずです(*5*6)。
こうした数字を確認しながら、なるべく早い、よいタイミングで受診してみてはいかがでしょうか。

人間ドックは「高い」のか

人間ドックは公的医療保険を使うことができないので、全額本人が負担することになります。料金は検査内容や医療機関によってまちまちで、数万円で済む場合もあれば、50万円以上することもあります。
「安い」とはいえない額ですが、しかし「高い」という認識も正しくないでしょう。なぜなら、人間ドックで重大な病気をみつけることができれば、早期治療ができるため、重症化したときの治療費より安く済みますし、何より治る可能性が高くなります。
人間ドックの費用の安い・高いの感覚は人それぞれといえるでしょう。

まとめ~仕事や生活を中断して調べる

人間ドックの「ドック」の由来は、船を点検、修理する大型の工場です。ドックに入った船は陸上にあげられ、普段できない点検をして、大規模修理を行います。それで新しい航海に耐えられる船体に生まれ変わるわけです。
人間ドックでも、仕事や普段の生活を半日から数日間休み、医療機関に入って、体の隅々まで、そしてさまざまな角度から検査します。そうすることで、次の仕事や生活に耐えられる健康をつくることができます。

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