十二指腸潰瘍の症状、原因、治療法を解説【炎症が悪化して粘膜をえぐる】

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十二指腸は、胃の次にある臓器です。

日本人は胃潰瘍が多く、欧米人は十二指腸潰瘍が多いといわれてきましたが、最近は日本人でも十二指腸潰瘍が増える傾向にあります(*1)。

潰瘍とは炎症が悪化した状態で、十二指腸の内側の表面を覆う粘膜が、ただれたりえぐれたりします。出血することもあります。

この記事では、十二指腸潰瘍の症状と原因、治療法について解説します。

十二指腸潰瘍とは

十二指腸潰瘍は、十二指腸という臓器にできる潰瘍です。

口から肛門につながる管(くだ)のことを消化管といいます。消化管は1本なのですが、医学的解剖学的には複数の臓器が組み合わさっていることになっています。

消化管を構成する臓器は口から、口腔、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、肛門になります。

十二指腸、空腸、回腸の3つを小腸と呼び、盲腸、結腸、直腸のことを大腸といいます。

成人の十二指腸は大体25cmほどあります。

十二指腸は、胃で消化された食べ物を受けて、消化液を混ぜて空腸に送る役割を担っています。

炎症→びらん→潰瘍と悪化していく

潰瘍は、炎症が高じた状態です。炎症で終わる場合は、熱を持ったり赤くなったりして治って元に戻りますが、潰瘍となると著しく傷つき、ただれてえぐれてしまいます。

十二指腸の壁は、内側(食物に触れる側)から1)粘膜、2)粘膜筋板、3)粘膜下層、4)筋層、5)しょう膜(外側)という層構造になっています。

炎症が悪化すると、びらんという状態になりますが、これは粘膜までの傷と定義されています。

粘膜筋板より深く傷つくと潰瘍と診断されます。

十二指腸潰瘍の症状

十二指腸潰瘍の症状は次のとおりです。

・みぞおちの痛み
・鋭い痛み
・胸やけ
・吐き気
・嘔吐
・食欲不振
・吐血
・タール便(便の色が黒くなる)
・貧血

十二指腸潰瘍による痛みは、複数の種類があります。

そして、痛みの強さと十二指腸潰瘍の進行度が必ずしも一致しないという特徴があります。軽度でも鋭い痛みが出ることがありますし、重症でも軽い痛みで済んでいる場合もあります。まれに無症状のこともあります。

粘膜のえぐれが大きくなると出血します。その血が胃に回れば食道をのぼって吐血し、その血が大腸に進むと便に混ざってタール便が出ます。

出血しているので、貧血を伴うことがあります。

十二指腸潰瘍の原因

十二指腸潰瘍の原因は大きく、胃液などによるものヘリコバクター・ピロリ菌によるものの2つが考えられています。

ただ、この2つの原因を1つにまとめる説もあります。

ピロリ菌によって胃液による攻撃が強まる

胃では、胃液やペプシンという消化酵素が分泌され、食べ物を消化します。

ではなぜ胃が、胃液やペプシンによって消化されないのかというと、胃の粘膜に酸などから胃を守る機能が備わっているからです。

胃液やペプシンは十二指腸に流れることがありますが、十二指腸にも守る機能が備わっているので「無事」でいられます。

つまり健康な人の十二指腸内では、酸やペプシンという攻撃因子と、粘膜血流や粘液という防御因子バランスを保ちながら存在していることになります。

このバランスが崩れた状態が、「胃液・ペプシンによる十二指腸潰瘍」を引き起こします。

そして「ピロリ菌による十二指腸潰瘍」説は、ピロリ菌に感染している人に十二指腸潰瘍を引き起こしている人が多いことから生まれました。

ところが研究を進めてみると、ピロリ菌が、攻撃因子と防御因子のバランスを崩していることがわかりました(*2)。

つまり「ピロリ菌感染→バランスが崩れる→胃液やペプシンによる攻撃が強まる→十二指腸潰瘍の発症」という流れになります。

そのため、「胃液・ペプシンによる十二指腸潰瘍」説と「ピロリ菌による十二指腸潰瘍」説は同じと考えることができるわけです。

ピロリ菌感染とストレス

かつては、ストレスが十二指腸潰瘍を引き起こすと考えられていましたが、ピロリ菌の研究が進んだ今は、ピロリ菌が有力な原因とみられています。

ただ、ストレスも十二指腸潰瘍に深く関与しています。

ピロリ菌によって起きた炎症や潰瘍を、ストレスが悪化させることは否定できません。

十二指腸潰瘍の治療

十二指腸潰瘍の治療は次の2つです。

・ピロリ菌の除菌
・プロトンポンプ阻害薬の使用

医師は、十二指腸潰瘍であることがわかるとピロリ菌検査を行うはずです。感染がわかればピロリ菌を除菌する薬が処方されます。

ピロリ菌の除菌は、十二指腸潰瘍の「元」を叩く治療になります。

一方、プロトンポンプ阻害薬という薬は、胃液の分泌を抑えます。十二指腸潰瘍は胃液に含まれる酸に攻撃されて起きているので、この薬で酸を減らします。

まとめ~ピロリ菌を除菌するメリットは大きい

十二指腸潰瘍はつらい症状に襲われたり、吐血や下血をしたりします。これだけの症状が出れば医者にかかることを躊躇しないと思いますが、軽い痛みで終わる場合は市販の痛み止めで済ませてしまうかもしれません。

しかし十二指腸潰瘍は軽い病気ではないので、もし発症していれば早めに治療したほうがよいでしょう。健康診断や人間ドックでその兆候をつかむことができるかもしれないので、忘れずに受診したいものです。

治療を受けることによってピロリ菌感染がわかれば、除菌治療を受けることができます。

ピロリ菌は胃がんのリスクを高めるので、除菌するメリットは大きいといえます。つまり十二指腸潰瘍を治療するメリットも大きいわけです。

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