毎年約1.2万人が亡くなる食道がんの症状、原因、治療を解説

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国立がん研究センターによると、毎年2.5万人が食道がんと診断され、1.2万人が亡くなっています。

この数字だけでも十分、食道がんに警戒しなければならないことがわかりますが、さらに厳しい数字があります(*1)。

食道がんの5年生存率:41.5%

胃がんの5年生存率66.6%や、乳がんの92.3%と比べると、食道がんの低さが際立ちます。

食道がんの症状、原因、治療などを解説します。

食道がんとは

食道は、咽頭と胃の間にある管(くだ)状の臓器で、成人の大きさは直径2、3cm、長さ25cm、厚さ4mmほどとなっています。

食道の役割は、食べた物を胃に運ぶことです。食道には筋肉がついていて、これが蠕動(ぜんどう)運動という動きをすることで食べ物を確実に胃に送ります。そのため、人が寝ていて、口のなかの食べ物に重力が働かない状態でも胃に送ることができます。

食道がんは、食道にできるがんです。

60歳以上、男性、酒とタバコ

食道がんの特徴は、60歳以上の人が発症しやすい、男女比は6対1で男性のほうが多い、酒とタバコに関係する、などとなっています。

ステージ

食道がんの進行状況は、0期、1期、2期、3期、4a期、4b期の6つのステージに分けられ、それぞれの特徴はおおよそ次のようになっています。

0期:がんが粘膜内にとどまっている+リンパ節転移がない
1期:がんが粘膜下層にとどまっている+リンパ節転移がない
2期:がんが固有筋層や食道外膜にとどまっている第1、2リンパ節まで転移している
3期:がんが食道周囲の組織にまで広がっているが、手術で切除できる第3群リンパ節まで転移している
4a期:がんが食道周囲の組織にまで広がっているが、手術で切除できない第4群リンパ節まで転移している
4b期:がんが食道周囲の組織にまで広がっているが、手術で切除できない遠隔転移がある

ステージごとに治療法が変わってきます。治療内容についてはあとで紹介します。

食道がんの症状

食道がんの初期は症状がないため、早期発見が難しいがんの1つに数えられています。

進行度に応じて、食べ物の飲み込むときのつかえる感じや、しみるような痛みが発生します。

重度になると水すら喉を通らなくなります。

食道がんの原因

食道がんの主な原因は、アルコールとたばことされています。

WHOによると、アルコールは食道だけでなく、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんのリスクを高める可能性が指摘されています。

アルコールそのものに発がん性があり、アルコールによって体内でつくられるアセトアルデヒドも食道がんの原因になり得ます。

国立がん研究センターの研究で、アルコールと食道がんには次のような関係があることがわかりました(*2)。

<アルコールと食道がんの関係>
・日本酒を1日1、2合飲むグループの食道がんリスクは、飲まないグループの2.6倍になる
・2合以上のグループは4.6倍

日本酒1合は、焼酎なら0.6合、ビールなら633ml、ワインなら200ml、ウイスキーならダブル1杯に相当します。

タバコと食道がんの関係は次のとおりです。これも国立がん研究センターが公表している数字です。

<タバコと食道がんの関係>
・過去に喫煙していたグループの食道がんリスクは、非喫煙者グループの3.3倍
・現在喫煙しているグループは3.7倍

なお、現在喫煙しているグループでは、数本数が多いほど食道がんリスクが高くなることもわかっていて、最大4.8倍になります。

このことを踏まえて国立がん研究センターは「飲酒と喫煙は食道がんの強力な原因」と断定しています。

食道がんの治療法

食道がんの治療法は、軽ければ内視鏡で切除して終わります。しかし悪化すると、最終的には手の施しようのない状態となり、つまり、がんそのものに対する治療法がなくなり緩和治療に切り替わります。

内視鏡では取り切れない場合、手術を行います。

手術では、がんがある部分を切除したり、周囲のリンパ節を切除したりします。

食道を切除すると食べ物の通り道がなくなってしまうので、胃を使って食道を再建します。胃がんなどで胃を切除している場合は、小腸や大腸を使って食道を再建することもあります。

食道がんの治療法にはそのほかに、放射線療法化学療法(抗がん剤)があります。

ステージごとの治療法は、およそ以下のようになります。

 

食道がんのステージ 治療法
0期 内視鏡的切除、化学療法、手術、放射線
1期 手術、化学療法、放射線
2期 手術、化学療法、放射線
3期 手術、化学療法、放射線
4a期 化学療法、放射線
4b期 化学療法、放射線、緩和治療

 

バレット食道がんについて

先ほど、食道がんの原因の主なものは酒とタバコと紹介しましたが、そのほかにバレット食道も原因になり得ます。これによる食道がんのことを、バレット食道がんと呼びます。

バレット食道とは、逆流性食道炎によって食道の粘膜が、胃の粘膜の性質と似てしまう現象です。

食道の粘膜と胃の粘膜は「地続き」になっていますが、健康な人の場合、食道の粘膜と胃の粘膜は見た目も性質も異なります。

ところが、逆流性食道炎によって胃液が食道に触れる機会が増えると、食道の粘膜の性質が変わってしまうのです。

健康な人の食道の粘膜の表面は、扁平上皮という細胞層で覆われていますが、これが円柱上皮に置き換わってしまいます。

円柱上皮は、健康な胃の粘膜の表面を覆っている細胞層です。

そして、食道の粘膜が腸管粘膜上皮に変わることもあります。

腸管粘膜上皮になる現象を腸上皮化生というのですが、これが発生すると食道がんのリスクが高くなります。

したがってバレット食道やその元となる逆流性食道炎は、食道がんリスクを高めると考えて注意したほうがよいでしょう。

まとめ~胃内視鏡検査でみつかることも

食道がんは初期症状がつかみにくいので、健康診断や人間ドックなどをしっかり受けることで早期発見に努めたいものです。

胃内視鏡検査を受けると、医師は胃だけでなく食道の様子もしっかり確認するので、食道がんがみつかることがあります。

早期でみつかれば、内視鏡でがんを取り除けるので、そのメリットは大きいといえるでしょう。

新宿ヒロオカクリニックでは健診・人間ドックでの胃内視鏡検査に加え、消化器内科の専門医による外来診療も行っております。詳細はこちら

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