【忘れないでインフルエンザ】専門家も積極的なワクチン予防接種を呼びかけ

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新型コロナウイルス(以下、コロナ)に気を取られすぎて、インフルエンザへの警戒を忘れてはいないでしょうか。

国内のコロナ感染症の死者数は2020年1月23日~2021年11月5日の653日間で18,303人ですが、季節性インフルエンザ(以下、インフルエンザ)では年間2,500~3,400人の方が亡くなっています(*1*2)。

1日当たりの死者数は、コロナの約28人(=18,303人÷653日)に対し、インフルエンザは約7~9人(=2,500~3,400人÷365日)と決して少ない数字ではありません。

日本感染症学会は、今季(2021~2022年シーズン)も積極的にインフルエンザ・ワクチンを接種するよう呼びかけています(*3)。

油断が怖い

2021~2022年シーズンのインフルエンザ・ワクチンの接種は、2021年10月から全国で始まっています。

厚生労働省によると2021年42週(10月25日~10月31日)のインフルエンザ発生件数は20件で、前年同期の30件の33%減と大幅に減っています。昨季(2020~2021年シーズン)はインフルエンザが流行しなかったのですが、それを下回るペースです(*4*5)。

しかし日本感染症学会は「昨季はマスク着用が定着した効果が出てインフルエンザが流行しなかったが、今季は国境を越えた人の移動が再開されれば、世界中にインフルエンザが拡散される」として、積極的なインフルエンザ・ワクチンの接種を呼びかけています。

つまり、昨季流行しなかった油断や「コロナより恐くない」という間違った認識による油断が大敵となりかねません。

接種タイミングは「速やかに」

日本感染症学会が推奨する、インフルエンザ・ワクチンの理想の接種タイミングは10月末までですが、もうすぎてしまっています(*3)。

ただ同学会は、コロナ・ワクチンとの兼ね合いから、インフルエンザ・ワクチンは「速やかに」接種することをすすめています。

つまり、今からでも遅くはないわけです。

「コロナ・ワクチンとの兼ね合い」とは、インフルエンザ・ワクチンとコロナ・ワクチンは、お互いに2週間あけなければならないというルールがあるからです(*3*6)。

コロナ・ワクチンを打ったら、2週間後にならないとインフルエンザ・ワクチンを打つことができず、逆も同じです。

では、コロナ・ワクチンをまだ打っていない人や、2回目や3回目をこれから打つ人は、どちらを優先すべきでしょうか。

同学会は、コロナ・ワクチンを優先せざるをえないだろうとの見解を示しています。

医師と相談のうえ、コロナ・ワクチンとインフルエンザ・ワクチンの接種時期を調整してみてください。

インフルエンザの集団免疫がないことも懸念材料に

昨季にインフルエンザが流行しなかったことで、日本で集団免疫が形成されていない可能性があることも懸念材料になっています(*3)。

集団免疫とは、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染者が出ても感染しにくくなる状態のことです。多くの人がワクチンを打ったり、感染者が多かったりすると、社会は集団免疫を獲得できます。感染者も、感染したあとに免疫を獲得します。

しかし昨季はインフルエンザの感染者が少なかったので、集団免疫を獲得できていない危険があります。

集団免疫が獲得できていないと、海外からインフルエンザが持ち込まれると大流行してしまうかもしれません。

これも、インフルエンザ・ワクチンの接種を積極的に推奨する理由になります。

医療機関の負担を減らすためにも接種を

コロナの第5波は2021年11月現在、小康状態を保っていますが、政府は第6波を懸念しています。第6波が起きれば、再び医療崩壊が起きるかもしれません(*7)。

国民がインフルエンザに感染しなければ医療機関への負担が減り、コロナ第6波への備えになります。

合併症リスクが高い人は特に接種したほうがよい

インフルエンザ(ウイルス性呼吸器感染症)の顕著な症状は悪寒、発熱、疲労、咳、全身の痛み、頭痛などですが、合併症を引き起こすと命に関わることもあります。

インフルエンザの合併症で恐いのは肺炎、脳炎、心筋炎などです(*8)。

日本感染症学会は、インフルエンザの合併症リスクが高い人として、次の方たちを挙げています。

<インフルエンザの合併症リスクが高い人>
・6か月以上5歳未満
・65歳以上(50歳以上とする説もある)
・慢性呼吸器疾患(気管支喘息やCOPDなど)
・心血管疾患(高血圧単独を除く)
・慢性腎・肝・血液・代謝(糖尿病など)疾患
・神経筋疾患(運動麻痺、痙攣、嚥下障害を含む)
・免疫抑制状態(HIVや薬剤によるものを含む)
・妊婦
・長期療養施設の入所者
・著しい肥満
・アスピリンの長期投与を受けている人
・がん患者

これらに1つでも当てはまれば接種推奨者になります。

ただし、何らかの事情でインフルエンザ・ワクチンを打ってはいけない人は接種推奨者から除外されます。

まとめ~自分と愛する人と社会を守るため

インフルエンザ・ワクチンに対しては「自分と愛する人と社会を守るために接種する」という気持ちを持っていてもよいでしょう。

巷(ちまた)では、「コロナ対策をしっかりしていればインフルエンザ対策にもなる」と理解している人もいて、確かに昨季はインフルエンザが流行しなかったわけですが、今季も同じ幸運に恵まれる保証はどこにもありません。

むしろ「もしインフルエンザとコロナの第6波が重なったら、より深刻な医療崩壊が起きるかもしれない」と考えて、2つのワクチンを打つことを前向きに考えがほうがよいでしょう。

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