ピロリ菌に感染する原因と治療法

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ピロリ菌は、高い確率で胃炎や胃潰瘍を引き起こし、胃がんの発症にも深く関わっています。
ピロリ菌は胃のなかに生息する細菌ですが、人の体内で生まれるものではありません。感染することで、胃のなかにすみつくわけです。

この記事では、ピロリ菌に感染する原因と、ピロリ菌に感染していることがわかったときの治療法について解説します。

ピロリ菌の有力な感染経路とは

ピロリ菌の感染経路はまだ確定していません。そのため確かな感染原因は不明ということになります。

ただ、ピロリ菌感染の有力な原因はあり、次のとおりです。

・井戸水を飲んで感染する
・親から子供に感染する
・大便に接触して感染する

かつて頻繁に井戸水を飲んでいた人は、ピロリ菌に感染している確率が高いとされています。井戸水のなかになんらかの形でピロリ菌が入り込んでしまい、それを人が飲み感染するというルートになります。
ただ、ピロリ菌の感染率は年々減っています。これは、きれいに浄水された水道水を飲む人が増えて、同時に井戸水を飲む人がほとんどいなくなったからと考えられています。
ピロリ菌の感染率の推移についてはのちほど紹介します。

ピロリ菌に感染している親が、食べ物を口移しで子供に与えてしまうと、子供に感染させてしまうことがある、とされています。
胃のなかのピロリ菌が口のなかに移動して唾液のなかに潜むようになり、口移しで子供に移ってしまうわけです。

大便のなかからピロリ菌が検出されたことがあります。そのため、感染者の大便になんらかの形で触れてしまい、そこからピロリ菌に感染してしまう可能性があります。

3つのなかで、今最も有力なのは「親から子供へ」を含む家族内感染です。現代のピロリ菌感染の8割は家族内感染であると指摘する専門家もいます(*1)。

ピロリ菌の感染率は年々減少

厚生労働省の資料「ヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用による胃がん減少効果の検証について」(国立国際医療研究センター国府台病院作成)によると、ピロリ菌の感染率は年々減少しています*2)。

1974年ごろの年代別の感染率は次のとおりでした。

・10代20%ほど
・20代50%ほど
・30代70%ほど
・40代90%ほど
・50代90%ほど
・60代80%ほど
・70代90%ほど

20代ですでに半数が感染し、40代以降に至っては8~9割も感染していました。

それが2014年には次のようになりました。

・30代まで10%ほど
・40代20%ほど
・50代40%ほど
・60代50%ほど
・70代60%ほど

30代までは1割ほどと、1974年と比べると飛躍的に低下しています。
60代でも半数にまで減っています。

1970年代から2010年代にかけては、上水道整備が進んでいることから、年月を経るごとにピロリ菌感染率が低下している現象は「井戸水感染説」を裏づけることになっています。

ピロリ菌感染をどのように知るのか

ピロリ菌に感染しても、すぐに胃炎や胃潰瘍を起こすわけではありません。胃のなかにピロリ菌がいても、ほとんどは無症状です。
では、自分がピロリ菌に感染しているかどうかは、どのように知ることができるのでしょうか。

胃の不具合でクリニックにかかって検査を受ける

腹痛など胃に不具合が生じてクリニックや病院にかかると、医師は患者さんを治療する一方で、ピロリ菌の検査をするかどうか尋ねる場合があります。
このとき、ぜひピロリ菌の検査を受けてみてください。胃潰瘍などの治療の一環で行うピロリ菌検査は、公的医療保険の適用になるからです。
また、胃内視鏡検査(いわゆる胃カメラ検査)で胃炎がみつかった場合も、その後に行うピロリ菌検査は公的医療保険の適用になるでしょう。

症状がなく、胃内視鏡検査でも異常がみつからなかった人がピロリ菌検査を受ける場合、公的医療保険は使えず、検査費用は全額本人負担になります。

検査は呼気を取るだけ

ピロリ菌検査の方法はいくつかありますが、その一つに呼気を採取する「尿素呼気検査法」です。
ピロリ菌は胃のなかで、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解することがわかっています。
そこで尿素呼気検査法では、患者さんに尿素を飲んでもらい、15分後に呼気を採取します。呼気に含まれる二酸化炭素の割合が多ければ、ピロリ菌がいると推測できます。

そのほかの検査方法

尿素呼気検査法以外にも、ピロリ菌の有無を検査する方法があります。
培養法は、内視鏡で胃の組織を採って、それをピロリ菌が発育しやすい環境に置き、ピロリ菌が増えているかどうかを確認する方法です。
迅速ウレアーゼ試験法も、ピロリ菌が尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する性質を利用します。採取した胃の組織に、アンモニアがあると赤くなる試薬につけて反応を調べます。
ピロリ菌抗体法は、血液、尿、唾液を採取して、ピロリ菌保有者が持つ抗体の有無を調べます。

ピロリ菌の除菌は薬を飲むだけ

ピロリ菌に感染していることがわかれば、除菌します。
除菌方法は、抗生剤を飲みます。
1回の除菌でピロリ菌を死滅させることができる確率は8~9割とされています。
1回で除菌できなければ、2回目の除菌を行います。

なぜ完全に除菌できないことがあるのか

1回で除菌できる確率が8~9割ということは、1~2割の患者さんは抗生剤を飲んでも除菌できないということを意味します。
また、除菌を2回行なっても、ピロリ菌を死滅させることができないことがあります。
これは、ピロリ菌が抗生剤の耐性を持ってしまったためと考えられます。
「耐性を持つ」とは、ピロリ菌が抗生剤に負けない力を持ってしまった、という意味です。

3回目の除菌を行うこともある

公的医療保険では、ピロリ菌の除菌は2回までとされていますが、自己負担で3回目の除菌を行っているクリニックもあります。

まとめ~胃の病気の発症リスクを確実に減らすことができる

ピロリ菌感染が、胃炎、胃潰瘍、胃がんのリスクを高めることがわかっています。
つまり、ピロリ菌を除菌すれば、胃炎、胃潰瘍、胃がんリスクを下げられる、ということになります。
胃に不具合が生じたら「ピロリ菌がいるかもしれない」と警戒することを忘れないようにしてください。
新宿 ヒロオカクリニックではピロリ菌の検査・治療や消化器内科の専門医による外来診療に加え、健診・人間ドックでの胃内視鏡検査も行っておりますのでお気軽にご相談ください。詳細はこちら

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