【インフルエンザの基礎知識】症状は、潜伏期間とは

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「ウイルス感染による怖い病気といえば」と質問されたら、今では多くの人が新型コロナウイルス(以下、コロナ)を連想すると思いますが、インフルエンザもいまだに強い警戒が必要な病気です。

日本感染症学会は国民に、インフルエンザ・ワクチンの積極的な接種をすすめています(*1)。

そこでこの記事では、インフルエンザの基礎知識として、症状や潜伏期間などについて解説していきます。

重くつらい症状、恐いのは合併症

インフルエンザの症状は風邪の症状と似ていますが、はるかに重い特徴があります(*2)。

インフルエンザの症状 風邪の症状
●38℃以上の発熱
●全身倦怠感
●頭痛、関節痛、筋肉痛、鼻汁、くしゃみ、咳
●発熱するがそれほど高くない
●全身症状はあまりない
●のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳

 

インフルエンザの症状で特徴的なのは、38度以上の発熱です。普通の風邪でそこまで出ることはまれです。

そしてインフルエンザは全身症状がありますが、風邪にはそれがあまりありません。風邪は首より上の症状に悩まされます。

またインフルエンザでは、頭痛、関節痛、筋肉痛がみられます。

そしてインフルエンザでは、合併症も警戒しなければなりません。

脳症と肺炎

インフルエンザの症状は重く、しかも人から人に感染していくので、そのためワクチンを打って予防したほうがよいと考えるわけです。

インフルエンザ予防は、合併症予防にもつながります。インフルエンザにかからなければ、インフルエンザの合併症にもかからないという理屈です。

代表的な合併症は、インフルエンザ脳症二次性細菌性肺炎になり、どちらも命に関わることもあります。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザに続いて発症する意識障害を伴う病気で、症状は次のとおりです(*3)。5~9歳で多く発症します(*4)。

<インフルエンザ脳症の症状>
けいれん、嘔吐、意識障害、乳頭浮腫、脈拍・血圧・呼吸の変化、瞳孔・眼球運動の異常、運動の異常

二次性細菌性肺炎は高齢者が発症しやすく、インフルエンザによって全身の抵抗力が低下するため細菌に感染しやすくなり、その結果、肺炎を起こします(*5)。

「お年寄りがインフルエンザを悪化させてしまい亡くなった」という話を耳にすることがあると思いますが、それは多くの場合、二次性細菌性肺炎と考えられます。

潜伏期間は1~3日

潜伏期間とは、ウイルスや細菌などに感染してから、最初の症状が出るまでの期間のことです。感染しているが無症状の期間です。

インフルエンザの潜伏期間は1~3日で、その後、先ほど紹介した症状が矢継ぎ早に起きます。症状の順番はこのようになります(*6)。

<インフルエンザの感染から症状が出て治るまで>
・感染

・1~3日後に症状が出る

・突然、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛に襲われる

・それに続き、咳、鼻汁が出る

・その後1週間くらいかけて軽快して治る

コロナより短く、ノロより少し長い

インフルエンザの潜伏期間は、コロナより短く、ノロウイルスより少し長い、という特徴があります(*7)。

<ウイルスごとの潜伏期間>

ウイルスの種類 潜伏期間
インフルエンザ 1~3日
コロナ 調査1 中央値5.1日

97.5%は11.5日以内に発症

調査2 平均4.9日
ノロウイルス 1~2日
SARSコロナウイルス 平均4.7日
MERSコロナウイルス 平均5.8日

 

コロナは新しい病気なので、2つの調査の結果を掲載しました。

調査1は中央値5.1日ですが、97.5%の人は11.5日以内に発症したと報告されています。

調査2は平均を取っていて、4.9日でした。

インフルエンザの1~3日より長い傾向が顕著に出ています。

ノロウイルスの潜伏期間は1~2日で、インフルエンザより若干早く症状が出ます。

コロナのはるか前にSARSやMERSといったウイルスが世界の一部で流行したことがありますが、それらの潜伏期間はコロナ(新型コロナウイルス)に近い日数になっています。

「インフルエンザかも」と思ったらすべきこと

潜伏期間があるということは、症状が出ていなくても感染していることがある、ことを意味しています。

インフルエンザは人から人にうつるので、感染している人が、それに気づかず普段とおり生活していると感染を広げてしまうかもしれません。

潜伏期間中は症状が出ないので、感染に気づかず、そのため普段とおり生活してしまうのはやむをえないかもしれません。

しかし、感染者が多く出た場所にいたことを知ったら、行動制限ができるはずです。

もしくは、インフルエンザを疑わせる症状が出たら、すぐに行動制限しなければなりません。

そして自分も守らなければなりません。

インフルエンザの初期症状には、突然の38度程度の発熱という特徴的な症状があるので、「これは風邪ではなく、インフルエンザかもしれない」と予測することができます。

そのときにすべきことを紹介します(*8)。

<インフルエンザかも、と思ったときにすべきこと>
・人混みや繁華街への外出を控え、学校や職場などに行かないようにする
・咳やくしゃみなどの症状のあるときは、家族やまわりの人にうつさないように、飛沫感染対策としての咳エチケットを徹底する
・咳やくしゃみが出ているときは不織布製マスクをする
・鼻汁や痰を含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる
・手のひらで咳やくしゃみを受け止めたときはすぐに手を洗う
・安静にして、休養をとる
・特に、睡眠を十分にとることが大切
・水分を十分に補給する
・高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなどの症状が出たら、早めに医療機関を受診する

まとめ~軽くなったわけではない

コロナ対策では「インフルエンザ並みになることが必要」といった意見が出てくることがあります。コロナは、大流行すると緊急事態宣言が出たり、国によっては都市封鎖をしたりしますが、インフルエンザが流行してもそのようなことはしません。

コロナの予防法や治療法がさらに強固に確立されれば、コロナをインフルエンザ並みに扱うことができるでしょう。

このような話を聞くと「インフルエンザは恐くない病気」と感じるかもしれませんが、それは正しくありません。

コロナがインフルエンザより恐いのは正しいのですが、だからといってインフルエンザ被害が軽くなったわけではありません。

そのため、今あらためて、インフルエンザの症状や潜伏期間についての知識を持ち、しっかり対策を講じていきましょう。

 

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