高濃度ビタミンC点滴は副作用がある?危険って本当?

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「疲労回復にはビタミンCの入った点滴がおすすめ」

「ビタミンCはサプリより点滴のほうが良いみたい」

このような意見を目にしたことをきっかけに、高濃度ビタミンC点滴の存在を知った方も多いのではないでしょうか。

興味を持って調べてみると、意外と身近に受けられる一方、病気ではないのに点滴を受けても大丈夫なのか?危険はないのか?と不安な点も出てきますよね。

そこでこの記事では、高濃度ビタミンC点滴の効果だけでなく、副作用や受けないほうがいい方の特徴などを整理しながら、高濃度ビタミンC点滴は危険というのは本当なのかについて解説します。

高濃度ビタミンC点滴を受けるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

ビタミンCとは

ビタミンCとは

ビタミンCとは、水に溶けやすい性質をもつビタミンの1種です。からだの機能を調整したり、からだの中で起こる化学反応を助けたりする役割を持っています。

皮膚や細胞のコラーゲンを合成するために必須であり、健康維持や美容において欠かせない成分なのです。また、抗酸化作用を持ち、活性酸素細胞の働きを抑える効果もあります。

ヒトは体内でビタミンCをほとんど生成できないため、野菜や果物など食事などを中心に、体外から摂取する必要があります。

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書」によると、成人男女のビタミンCの食事摂取推奨量は1日100mgです。もしビタミンCを過剰に摂取したとても、過剰な分は尿として排出されるため、広い摂取範囲で安全だと考えられています。

高濃度ビタミンC点滴とは

高濃度ビタミンC点滴とは

高濃度ビタミンC点滴とは、ビタミンCを点滴によって体内に投与するする方法です。はじめは、がん治療を補完するための方法として研究されていましたが、ビタミンCのもつ抗酸化作用や免疫機能の強化作用を期待して、現在では美容や健康維持の目的でも広く使用されるようになりました。

ビタミンCを点滴で投与する理由は、経口摂取よりも短時間で効率的に、ビタミンCの血中濃度を上げられるためです。

経口でビタミンCを摂取する場合、消化管から吸収されたのち血中に移行します。多量のビタミンCを摂取しても、消化吸収できる量には上限があり、超えた分は体外に排出されてしまいます。また、下痢などの消化器症状がでやすい傾向もあります。

一方、点滴であれば血管を通して直接ビタミンCを投与することで血中濃度を上げられるため、消化吸収の上限における制限を受けません。同じ量を経口で摂取する場合と比べて効率的に体内に取り入れられるのです。

高濃度ビタミンC点滴に要する時間は1~2時間程度です。初回は事前に必要な検査があるため、その分の時間が追加でかかります。

高濃度ビタミンCを受ける間隔は、一般的には月に1~2回程度ですが、自身に合った頻度については問診の際などに聞いてみると良いでしょう。

高濃度ビタミンC点滴に期待できる効果

高濃度ビタミンC点滴には、以下のような効果が期待できます。

  • ●抗酸化作用
  • ●疲労回復
  • ●コラーゲンの生成促進
  • ●ニキビの予防・改善
  • ●シミの予防・改善
  • ●免疫機能の強化

 

以降でそれぞれ詳しく解説します。

抗酸化作用

ビタミンCが持つ抗酸化作用により、活性酸素の働きを抑え、細胞の老化を防ぎます。活性酸素は免疫機能として重要な働きをしますが、過剰に増えると血管や細胞などを酸化させてしまい、老化や病気の原因となる可能性があります。ビタミンCは他の抗酸化物質と協働して、細胞が傷害されるのを防いでいます。

疲労回復

活性酸素の過剰な蓄積は、疲労にもつながります。ビタミンCの抗酸化作用によって活性酸素の働きが抑えられるため、疲労回復にも役立つと言われています。また、ストレスがかかると活性酸素が過剰になりやすく、ビタミンCを多く消費してしまうため、高濃度ビタミンC点滴で効率よく補充することで、ストレスを受けた体をいたわることができるでしょう。

コラーゲンの生成促進

ビタミンCは、コラーゲンの生成や維持に関わっています。コラーゲンの重要な役割は、皮膚や骨、血管の細胞をつなぐことです。高濃度ビタミンC点滴で、ビタミンCの不足を解消できれば、肌や骨を健やかに保つ効果が期待できるでしょう。

ニキビの予防・改善

ニキビは皮膚に炎症が起きている状態であり、炎症を引き起こす要因のひとつが過剰な活性酸素だといわれています。ビタミンCの抗酸化作用により活性酸素の働きが抑えられることで、ニキビの予防や改善に役立つことが期待できます。

シミの予防・改善

ビタミンCには、メラニンの生成を抑制する作用と、生成された濃い色のメラニンを淡色化する還元作用があります。そのため、高濃度ビタミンC点滴はシミの予防や改善が期待できるといえるでしょう。

免疫機能の強化

ビタミンCは血液中の白血球にも含まれており、その働きを高める働きを持っています。白血球の働きが高まることで、細菌やウイルスなどの異物から体を守る力が強化されるのです。また、正常な細胞をも攻撃してしまう活性酸素の働きを抑える役割もあります。

高濃度ビタミンC点滴によってビタミンC不足を解消することで、免疫の維持に役立つことが期待できるでしょう。

高濃度ビタミンC点滴の副作用とは

高濃度ビタミンC点滴の副作用とは

ビタミンCは、多く摂取したとしても基本的には尿中に排泄されるので、重篤な副作用がおこることはほとんどありません。しかし、高濃度ビタミンC点滴を受けた後に気になる症状が出る可能性がまれにあります。

ここでは、高濃度ビタミンC点滴でおこる可能性のある副作用について解説していきます。

血管痛

ビタミンCの量や点滴の速度によって、点滴挿入部の痛みを感じることがあります。対処法は、点滴中に痛みのある部分を温めたり、点滴の速度を遅くしたりすることです。もし高濃度ビタミンC点滴を投与している最中に痛みを感じたら、早めに申告して対処してもらいましましょう。

口渇(のどが渇く)

高濃度ビタミンC点滴には、利尿作用があるといわれています。体内から水分が奪われやすくなるため、のどが渇くと感じる方も少なくありません。点滴前後は水分補給を心がけるようにしましょう。

吐き気や頭痛

まれに吐き気や頭痛を感じる方もいます。点滴の速度を遅くするなどの対応が適切ですので、早めに申告して対処してもらいましょう。

低血糖(めまい、冷や汗など)

ビタミンCの構造はブドウ糖と似ています。高濃度ビタミンC点滴によってビタミンCが大量に摂取されると、ブドウ糖が体内に摂取されたと誤って認識し、血糖値を下げるためのインスリンが分泌されてしまいます。それにより、低血糖症状であるめまいや冷や汗がでることがあります。

見せかけの高血糖

ビタミンCの構造がブドウ糖と似ているために、血糖測定器で血糖値が高く測定される可能性があります。糖尿病で普段からインスリンを使用している方は、あらかじめ高濃度ビタミンC点滴を受ける旨を医師に相談しておきましょう。

見せかけの高血糖に対してインスリンを投与し低血糖を起こすのは非常に危険です。1日何回インスリンを投与しているかによって血糖値を測定するタイミングも異なりますので、自己判断しないようにしましょう。

低カルシウム血症

ビタミンCとカルシウムが結合することで、カルシウムが体外に排出されやすくなります。高濃度ビタミンC点滴を投与することで体内のカルシウム濃度が下がり、低カルシウム血症を起こすこともまれにあります。

低カルシウム血症の症状としては、筋肉のけいれんやしびれなどがあげられます。気になる症状がある場合は、躊躇せずに早めに相談しましょう。(血中カルシウム濃度をあげるために、カルシウムを注射することがあります。

尿路結石

腎機能が低下している方がビタミンCを過剰に摂取すると、尿管結石のリスクが高くなるという報告もあります。また、尿管結石を持っている方の場合、結石が増えたり大きくなったりする可能性があります。高濃度ビタミンC点滴の投与前後は水分摂取を心がけましょう。

アレルギー

高濃度ビタミンC点滴を投与した際、まれにアレルギー症状を示す方もいます。ビタミンCそのものではなく、多くは点滴中の他の添加物に対するアレルギー症状だと考えられています。

かゆみやじんましん、息苦しさなどの呼吸器症状を感じたら、早めに申し出てください。アレルギー症状を抑える薬を使用して対応します。

眠気

ビタミンCの抗ヒスタミン作用によって、眠気を感じる方もいます。一時的なものではありますが、車の運転を控えるなど注意しましょう。

高濃度ビタミンC点滴の投与を避けたほうがいい人とは

高濃度ビタミンC点滴の投与を避けたほうがいい人とは

重篤な副作用が起こる可能性の低い高濃度ビタミンC点滴ですが、以下の疾患をお持ちの方には適していません。事前に必ず確認しておきましょう。

G6PD欠損症

G6PDとは、赤血球に存在する酵素です。G6PD欠損症は、遺伝によって発症することが多く、基本的には無症状であることが多いので、自分がG6PD欠損症であると気づいていない方もいらっしゃるかもしれません。G6PDが遺伝的に欠損していると、高濃度ビタミンC点滴を受けた際に、血液中の赤血球が破壊されて溶血発作を起こし、重度の貧血になる危険性があります。

そのため、高濃度ビタミンC点滴を投与する前にG6PDの検査をおこなう必要があります。検査の結果、G6PD欠損症と判断された方は、高濃度ビタミンC点滴を受けることができません。

腎不全

腎不全とは、腎臓の機能が低下し、老廃物の排出や必要な成分の再吸収などが不十分となっている状態です。人工透析や移植が必要になる場合もあり、腎臓は人が生きていく上で非常に重要な役割を果たしています。

腎不全で人工透析をしている方や、人工透析が必要になる可能性がある方は、高濃度ビタミンC点滴によって腎臓に負担がかかり、腎機能がさらに低下してしまうと考えられます。そのため、高濃度ビタミンC点滴を受けることは避けたほうが良いでしょう。

心不全

心不全とは、心臓の血液を送りだすポンプとしての機能が低下した状態です。疲れやすくなったり、足がむくみ体重が増加したりします。

心不全の方に高濃度ビタミンC点滴を投与すると、心臓へ負担がかかり心不全を悪化させてしまう可能性があります。心臓の機能について指摘されたことがある方は、高濃度ビタミンC点滴を投与する前に一度相談してみましょう。

胸水や腹水の貯留、浮腫

胸水や腹水が貯留していたり、手足に浮腫がみられたりするのは、余分な水分が体の中に貯まって排出されにくくなっている状態です。高濃度ビタミンC点滴は、輸液とビタミンCを混ぜたものであり、血管内に水分も一緒に投与することになるため、体にさらなる水分負荷をかけてしまいます。

症状の悪化につながる可能性があるため、これらの症状のある方は、高濃度ビタミンC点滴は適しません。

高濃度ビタミンC点滴は危険なのか

高濃度ビタミンC点滴は危険なのか

ここまで、高濃度ビタミンCに期待できる効果や、副作用として起こる可能性がある症状を解説しました。

結論として、高濃度ビタミンC点滴は、必要な事前検査や現在の健康状態を確認するための診察を受けていれば危険ではありません

副作用の可能性はゼロではありませんが、一般的には重篤な副作用が起こることはほとんどありません。それでも不安な方は、副作用の可能性がある症状を把握しておき、気になる症状があらわれた場合はすぐに申告すると良いでしょう。必要に応じて適切な処置を受けられます。

高濃度ビタミンC点滴の料金は

高濃度ビタミンC点滴の料金は

高濃度ビタミンC点滴の料金は、自由診療のため各医療機関によって金額に差があり、ビタミンCの含有量によっても異なります。目安としては1~3万円程度が多いようです。健康保険の適用にはならず基本的には全額自己負担となります。

継続的な効果を得るためには、定期的に点滴を受けることが推奨されます。金額や予約の取りやすさなど、自分にとって継続できる条件が整っているクリニックを探しましょう。

まとめ

投与速度を遅くしたり、説明を正しく理解し対策したりすることで副作用を回避できる

高濃度ビタミンC点滴は、点滴を用いて体内にビタミンCを投与できる方法です。経口よりも効率よくビタミンCを摂取でき、短時間で血中濃度を上げられるという特徴があります。日々忙しく過ごされている方や疲労を感じやすい方、お肌の悩みを抱えている方などにおすすめです。

ビタミンCには、抗酸化作用や免疫機能の強化作用があるといわれています。高濃度ビタミンC点滴は、その作用によってもたらされるさまざまな効果が期待できます。必要な検査や健康状態の確認のための診察を受け、それらをクリアしたのちに投与するならば、危険な状態になる可能性はほとんどありません

副作用については、投与速度を遅くしたり、説明を正しく理解し対策したりすることで回避できるものがほとんどです。

ヒロオカクリニックでは、高濃度ビタミンC点滴をご提供しております。

初診の際には面談と事前検査(G6PD検査)を必ず実施しますので、適さない状態の方へ無理におすすめすることはありません。

新宿で高濃度ビタミンC点滴をご希望の方は、ぜひ安心してご来院ください。

<高濃度ビタミンC点滴の詳細はこちら>

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