メタボに着目した特定健康診査は指導とセットで健康支援~新宿区の方式で解説

INDEX

 

特定健康診査(以下、特定健診)はメタボリックシンドローム(以下、メタボ)に着目した健診です。特定健診で行うさまざまな検査で生活習慣病のリスクが高いと判断されると、特定保健指導というサポートを受けることができます(*1)。

 

会社勤めの方は、特定健診になじみがないかもしれません。それは、企業などが行う生活習慣病健診や人間ドックを受けていると、特定健診の項目が網羅されいるため、特定健診を単独で受けなくてよいからです(*2)。

特定健診は、一般的には国民健康保険に加入している人の健診といえます。

 

この記事では、新宿区が行っている特定健診を例にとりながら、この健診の特徴を紹介していきます(*3)。

 

 

特定健診の概要

 

特定健診の検査項目や受診対象者などを解説します。

 

 

検査項目

 

特定健診の検査項目は以下のとおりです。こちらは新宿区のメニューですが、他の自治体もほぼ同じです

 

・問診:既往歴の調査、現病歴及び家族歴の聴取など

・身体計測:身長、体重、腹囲、肥満度(BMI)の測定

・理学的検査:視診、打聴診、触診

・血圧測定:収縮期血圧、拡張期血圧

・尿検査:蛋白、糖、潜血

・血液検査:貧血など(白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、血小板数)、腎機能など(尿素窒素、クレアチニン、eGFR、尿酸)、肝機能など(総蛋白、AST、ALT、ALP、γ-GT、血清アルブミン)、脂質代謝(総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール Non-HDLコレステロール、中性脂肪)、糖代謝(血糖、HbA1c)

・胸部X線検査:16~64歳は選択、65歳以上は必須

・心電図:医師の判断により実施

・眼底検査:40歳以上の方を対象に医師の判断により実施

 

この内容は、企業などが行う定期健診とほぼ同じです。ただ、定期健診には腹囲測定はないかもしれません。メタボリックシンドロームの診断では、腹囲の測定が必須なので、特定健診には必ず入っています。

 

 

メタボリックシンドロームとは

 

特定健診がターゲットにしているメタボについて解説します。

以下の2条件に当てはまると、医師はメタボであると診断します。

 

・腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上

・高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち2つ以上に当てはまる

 

腹囲を必須条件にしているのは、内臓脂肪の量がこれでわかるからです。内臓脂肪は、消費するエネルギーより供給するエネルギー(食べるエネルギー)が多くなると増えていきます。そして、内臓脂肪が増えると、つまり肥満になると、動脈硬化のリスクが高くなり、動脈硬化になると心臓病や脳卒中の危険が高くなります。

 

そのため、肥満、高血糖、高血圧、脂質代謝異常は、少し怖い言い方ですが、「死の四重奏」と呼ばれることもあります。

特定健診がメタボに着目しているのは、メタボを予防すれば死のリスクを下げることができると考えられているからです。

 

 

特定健康診査の受診対象者

 

新宿区は特定健診の受診対象者を次のように定めています。

 

・16~39歳:新宿区民で、学校や勤務先で健診を受ける機会がない人

・40~74歳:新宿区国民健康保険に加入している人、または生活保護受給者など

・75歳以上:東京都後期高齢者医療制度に加入している人、または生活保護受給者など

 

15歳以下は対象外です。

16歳以上でも、企業の健康保険などに加入している方も対象外です。これは企業の健康保険などで定期健診を受ける機会があるからです。

 

厚生労働省は、40~74歳の人を特定健診の対象者としています。したがって新宿区は、厚生労働省のルールより手厚く特定健診を実施していることになります。

 

 

費用は無料も有料もある

 

新宿区では、特定健診の受診を無料にしています。費用は自治体によって異なり、有料のところもあります。ただ、有料にしている自治体でも、住民税非課税世帯は無料にするなど経済的な支援をしています。

 

 

毎年受ける

 

特定健診は原則、毎年受けます。これは新宿区も、他の市区町村も同じです。

 

 

アフターケアとしての特定保健指導

 

特定健診を受けて生活習慣病のリスクが高いことがわかると、新宿区は特定保健指導を行います。他の自治体も同じです。新宿区はさらに、非肥満保健指導も同時に行います。

対象者に実際に指導を行うのは、新宿区では保健師または管理栄養士です。

 

特定保健指導の対象になるのは、特定健診で次の2条件の両方に当てはまった人です。

 

・「腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上」または「腹囲が男性9以下、女性89.9以下でBMI(肥満度)25以上」

・「空腹時血糖100mg/dl以上」「中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロール39mg/dl以下」「収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85130mmHg以上」のすべてに当てはまるか、3つのうち1つでも当てはまって「喫煙歴がある」人

 

新宿区の特定保健指導は3カ月行います。指導方法は、初回は面接で、それ以降は電話や手紙などで支援します。

指導内容は、健康的な生活を送るための動機づけ支援と、より積極的に関与してもらえる積極的支援になります。

 

非肥満保健指導は、より肥満解消にフォーカスを当てた指導になります。

 

特定保健指導は、特定健診を「受けっ放し」にしないアフターケアといえ、生活習慣の改善につなげていきます。

費用はかかりません。

 

 

まとめ~積極的に利用しましょう

 

新宿区の特定健診の受診率は、対象者の3割ほどです*4)。これは「とても少ない数」といえます。企業などが行う定期健診の受診率は8割に達しているからです*5)。

国民健康保険の加入者も「体が資本」であるのは会社員と同じはずです。自分を守る気持ちを持って、特定健診に臨みましょう。

 

当院は新宿区の区民検診【健康診査(特定健康診査)・がん検診(胃がん〈胃内視鏡・胃部エックス線〉・大腸がん・肺がん・子宮頸がん・乳がん・前立腺がん)・肝炎ウイルス検診】および中野区の区民検診の指定施設です。ご予約0570-002-666までお電話にてお願いいたします。

 

 

新宿区で健康診断・人間ドック:ヒロオカクリニックの健診・人間ドックについて詳しく見る

特定健康診査(以下、特定健診)はメタボリックシンドローム(以下、メタボ)に着目した健診です。特定健診で行うさまざまな検査で生活習慣病のリスクが高いと判断されると、特定保健指導というサポートを受けることができます(*1)。
会社勤めの方は、特定健診になじみがないかもしれません。それは、企業などが行う生活習慣病健診や人間ドックを受けていると、特定健診の項目が網羅されいるため、特定健診を単独で受けなくてよいからです(*2)。
特定健診は、一般的には国民健康保険に加入している人の健診といえます。
この記事では、新宿区が行っている特定健診を例にとりながら、この健診の特徴を紹介していきます(*3)。

特定健診の概要

特定健診の検査項目や受診対象者などを解説します。

検査項目

特定健診の検査項目は以下のとおりです。こちらは新宿区のメニューですが、他の自治体もほぼ同じです

・問診:既往歴の調査、現病歴及び家族歴の聴取など
・身体計測:身長、体重、腹囲、肥満度(BMI)の測定
・理学的検査:視診、打聴診、触診
・血圧測定:収縮期血圧、拡張期血圧
・尿検査:蛋白、糖、潜血
・血液検査:貧血など(白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、血小板数)、腎機能など(尿素窒素、クレアチニン、eGFR、尿酸)、肝機能など(総蛋白、AST、ALT、ALP、γ-GT、血清アルブミン)、脂質代謝(総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール Non-HDLコレステロール、中性脂肪)、糖代謝(血糖、HbA1c)
・胸部X線検査:16~64歳は選択、65歳以上は必須
・心電図:医師の判断により実施
・眼底検査:40歳以上の方を対象に医師の判断により実施

この内容は、企業などが行う定期健診とほぼ同じです。ただ、定期健診には腹囲測定はないかもしれません。メタボリックシンドロームの診断では、腹囲の測定が必須なので、特定健診には必ず入っています。

メタボリックシンドロームとは

特定健診がターゲットにしているメタボについて解説します。
以下の2条件に当てはまると、医師はメタボであると診断します。

・腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上
・高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち2つ以上に当てはまる

腹囲を必須条件にしているのは、内臓脂肪の量がこれでわかるからです。内臓脂肪は、消費するエネルギーより供給するエネルギー(食べるエネルギー)が多くなると増えていきます。そして、内臓脂肪が増えると、つまり肥満になると、動脈硬化のリスクが高くなり、動脈硬化になると心臓病や脳卒中の危険が高くなります。
そのため、肥満、高血糖、高血圧、脂質代謝異常は、少し怖い言い方ですが、「死の四重奏」と呼ばれることもあります。
特定健診がメタボに着目しているのは、メタボを予防すれば死のリスクを下げることができると考えられているからです。

特定健康診査の受診対象者

新宿区は特定健診の受診対象者を次のように定めています。

・16~39歳:新宿区民で、学校や勤務先で健診を受ける機会がない人
・40~74歳:新宿区国民健康保険に加入している人、または生活保護受給者など
・75歳以上:東京都後期高齢者医療制度に加入している人、または生活保護受給者など

15歳以下は対象外です。
16歳以上でも、企業の健康保険などに加入している方も対象外です。これは企業の健康保険などで定期健診を受ける機会があるからです。
厚生労働省は、40~74歳の人を特定健診の対象者としています。したがって新宿区は、厚生労働省のルールより手厚く特定健診を実施していることになります。

費用は無料も有料もある

新宿区では、特定健診の受診を無料にしています。費用は自治体によって異なり、有料のところもあります。ただ、有料にしている自治体でも、住民税非課税世帯は無料にするなど経済的な支援をしています。

毎年受ける

特定健診は原則、毎年受けます。これは新宿区も、他の市区町村も同じです。

アフターケアとしての特定保健指導

特定健診を受けて生活習慣病のリスクが高いことがわかると、新宿区は特定保健指導を行います。他の自治体も同じです。新宿区はさらに、非肥満保健指導も同時に行います。
対象者に実際に指導を行うのは、新宿区では保健師または管理栄養士です。
特定保健指導の対象になるのは、特定健診で次の2条件の両方に当てはまった人です。

・「腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上」または「腹囲が男性9以下、女性89.9以下でBMI(肥満度)25以上」
・「空腹時血糖100mg/dl以上」「中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロール39mg/dl以下」「収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85130mmHg以上」のすべてに当てはまるか、3つのうち1つでも当てはまって「喫煙歴がある」人

新宿区の特定保健指導は3カ月行います。指導方法は、初回は面接で、それ以降は電話や手紙などで支援します。
指導内容は、健康的な生活を送るための動機づけ支援と、より積極的に関与してもらえる積極的支援になります。
非肥満保健指導は、より肥満解消にフォーカスを当てた指導になります。
特定保健指導は、特定健診を「受けっ放し」にしないアフターケアといえ、生活習慣の改善につなげていきます。
費用はかかりません。

まとめ~積極的に利用しましょう

新宿区の特定健診の受診率は、対象者の3割ほどです*4)。これは「とても少ない数」といえます。企業などが行う定期健診の受診率は8割に達しているからです*5)。
国民健康保険の加入者も「体が資本」であるのは会社員と同じはずです。自分を守る気持ちを持って、特定健診に臨みましょう。

当院は新宿区の区民検診【健康診査(特定健康診査)・がん検診(胃がん〈胃内視鏡・胃部エックス線〉・大腸がん・肺がん・子宮頸がん・乳がん・前立腺がん)・肝炎ウイルス検診】および中野区の区民検診の指定施設です。ご予約0570-002-666までお電話にてお願いいたします。

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