自治体が人間ドックの費用を助成することがあります~東京都内のケースを紹介

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人間ドックは公的医療保険が使えないため、その費用は全額、受診者自身が負担することになります。

「人間ドックで体を隅々まで調べてもらいたいけど、費用が気になる」という方がいらっしゃると思います。

そうした費用の問題を一部解決してくれるのが、住んでいる自治体の助成制度です。人間ドックの費用の一部を自治体が負担してくれるというものです。

健康志向の方には歓迎できる制度ですが、すべての自治体が行っているわけではありません。

この記事では、東京都内の自治体のケースを紹介します。

都内で助成している自治体一覧~新宿区は外れている

日本人間ドック健診協会の調べによると、都内で人間ドック費用助成制度を導入している自治体は以下のとおり(*1)。ヒロオカクリニックがある新宿区は現段階では実施していません。

■都内で人間ドック費用助成制度がある自治体

23区 市町村
荒川区
大田区
江東区
渋谷区
品川区
台東区
千代田区
昭島市
青梅市
清瀬市
小金井市
国分寺市
小平市
立川市
多摩市
東大和市
日野市
武蔵野市
武蔵村山市
府中市
日の出町
青ヶ島村

 

23区で実施しているのは荒川区、大田区、江東区、渋谷区、品川区、台東区、千代田区の7区だけでした。

市町村のほうが積極的に実施している印象があります。

これは2021年3月現在の状況であり、今後変更される可能性があります。関心がある方は、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。

助成する・しないは政策の違い

同じ都内の自治体なのに人間ドックに助成する自治体と助成しない自治体が存在するのは、住民の健康に関する政策が異なるからです。

自治体は独自の予算内でさまざまな健康施策を実施していますが、その内容は住民の意向などを踏まえて、市区町村長と市区町村議会、行政機関が決めています。そのため健康施策の内容は自治体によってばらばらになるわけです。

人間ドックに助成しないからといって健康施策に熱心ではないということではなく、それぞれの自治体は財政や住民ニーズにマッチした健康支援を行っています。

それでは次に、人間ドック助成を行っている都内の自治体が、具体的にどのように実施しているのか確認していきます。大田区と荒川区の助成制度を紹介します。

大田区は国民健康保険加入者を支援

大田区は人間ドック受診費用助成制度がある自治体です*2)。その目的について同区は「生活習慣病その他の疾病予防、および早期発見により健康保持推進を図るため」としています。

助成の財源は税金なので、住民が納得できる目的が必要になります。

大田区の人間ドック費用助成を受けられるのは、大田区の国民健康保険加入者(被保険者)です。つまり自営業者やフリーランス、農業者、無職の人たち限定となります。

したがって職場の健康保険に加入している人たちは対象外になります。

助成額の上限は8,000円

大田区の助成額の上限は8,000円で、もし受診した人間ドックの料金が8,000円を上回っても8,000円までしか交付されません。8,000円を上回る部分は受診者が自己負担します。

助成の対象者の条件は以下のとおり。

■大田区の人間ドック受診費用助成制度の対象者
・国民健康保険加入者
・40歳以上、74歳以下
・保険料を完納していること
・同じ年度内に特定健康診査を受診していないこと
・人間ドックの結果、特定保健指導などの対象になったらそれを受ける人

助成を受けられる人の人数は限定されていて、2022年度は800人でした。先着順になります。

助成の流れ

助成を受けるには、まず人間ドックを受ける必要があります。

大田区が指定する医療機関で人間ドックを受け、領収書を受け取ります。

次に「大田区国民健康保険人間ドック受診助成金交付申請書兼請求書」を入手して、領収書の写し、質問票、受信結果の写しを添付して、区役所に申請します。郵送でも受け付けています。

同申請書兼請求書は区役所でも入手できますが、公式サイトでもダウンロードできます。

申請後、大田区の担当部署が審査をして、それにパスすれば助成金が申請者の金融機関の口座に振り込まれます。

ここまでの説明を箇条書きすると次のような流れになります。

・指定医療機関で人間ドックを受ける

・医療機関に費用を全額支払う

・助成の申請をする

審査にパスする

・助成金が振り込まれる

最初に費用の全額を負担しなければなりません。そして審査にパスしないと助成金が振り込まれることはありません。

審査といっても条件に合致すればパスできますが、万一のことを考えて、人間ドックを受ける前に区役所に自分が対象になるのかどうか確認しておいたほうがよいでしょう。

検査項目

人間ドックでは、検査する項目や調べる臓器や器官などは、実施する医療機関が自由に決めることができますが、大田区の人間ドック費用助成では検査項目が決まっています。以下のとおりです。

 

■大田区の費用助成が受けられる人間ドックの検査項目

検査 検査項目
身体計測 身長、体重、BMI、腹囲
問診・診察 既往歴、自覚症状、他覚症状
生理学的検査 血圧測定
生化学検査 HDLコレステロール
LDLコレステロール
中性脂肪
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ-GT(γ-GTP)
空腹時血糖
HbA1c
尿検査 蛋白、尿糖
質問票 特定健康診査質問票22項目
医師の判断 医師の判断(判定)

 

胃や大腸の内視鏡検査や脳の検査などは入っていません。

荒川区は脳ドックを助成

荒川区の助成制度は脳ドック限定です*3)。

脳ドックとは、脳をMRI(磁気共鳴画像診断)やMRA(磁気共鳴血管撮影)という機器で撮影し、脳梗塞、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳出血などをチェックするものです。

荒川区の脳ドック助成の概要は以下のとおり。

■対象者
・荒川区の国民健康保険、または後期高齢者医療制度の加入者(被保険者)
・40歳以上
・前年度に脳ドック助成を受けてない

■助成の額:半額で上限は2万円

■受診する医療機関:区内外の医療機関で、特に指定はない

■助成の流れ
受診前に申請するケース:申請→受診→全額支払い→あとから助成金が振り込まれる
受信後に申請するケース:受診して全額支払い→申請→助成金が振り込まれる

申請は区役所の窓口でも、郵送でも可能です。

また、受診後にアンケートに回答すると、先着100人に荒川区内の共通お買物券500円分がプレゼントされます。

まとめ~自治体の健康サポートを活用しよう

東京都内の人間ドックの助成制度を紹介しました。自治体にとって住民の健康は重要政策の1つなので、それぞれの自治体がさまざまな形で健康サポートをしています。

人間ドック助成をしていない自治体でも、その他の健康サポートメニューがあるはずです。ぜひホームページなどで確認して、積極的に活用してみてください。

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