胃の病気にはさまざまな種類がある:症状、原因、治療を解説

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胃は、食べ物の消化や吸収を助ける臓器です。生きるためには食べなければならず、食べれば必ず胃に働いてもらわなければなりません。
胃は酷使されるため、さまざまな種類の病気を発症します。

この記事では、次の胃の病気の症状、原因、治療方法を紹介します。

・胃がん
・急性胃炎
・慢性胃炎
・胃潰瘍
・胃けいれん
・胃拡張
・感染性胃腸炎

胃がんとは

胃がんとは、胃にがん細胞ができる病気です。がん細胞とは、正常細胞の遺伝子が傷つき、突然変異した細胞のことです。
がん細胞は正常に働かないだけでなく、無限に増え、正常細胞や正常組織を破壊します。「無限に増える」とは、患者さんが死亡するまで増えるという意味です。

胃がんの症状

胃がんの初期の多くは、症状がまったくありません。
進行すると、みぞおちの痛み、胸焼け、吐き気、膨満感といった症状が出てきます。

胃がんの原因

胃がんの原因は、正確にはわかっていません。なぜなら、なぜ正常細胞ががん細胞になるのかが解明されていないからです。
ただ、次のような生活習慣などは、胃がんリスクを高めることがわかっています。

・偏食
・ストレス
・過度の飲酒
・喫煙
・ピロリ菌の感染
・遺伝

胃がんの治療

初期の胃がんなら、内視鏡(胃カメラ)で切除でき、それで完治が期待できます。
進行すると外科手術を受けてがん細胞を切除したり、胃を部分的に切除したり、胃をすべて摘出したり抗がん剤といった治療法もあります。

急性胃炎とは

急性胃炎は、さまざまな原因で起きる胃の炎症のことで、胃の病気のなかでは発症率が高い特徴があります。

急性胃炎の症状

急性胃炎を起こすと、痛み、不快感、嘔吐、食欲不振などの症状が出ます。血を吐くこともあります。

急性胃炎の原因

急性胃炎の原因は多数あり、その一部は次のとおりです。

・飲酒
・喫煙
・コーヒー
・香辛料
・冷たいものを食べる
・熱いものを食べる
・薬の副作用
・ストレス
・不規則な生活
・感染症
・アレルギー症状

急性胃炎の治療

急性胃炎の治療では、まず原因を特定して、その原因を取り除きます。例えば飲酒が原因であれば、禁酒します。
その後、原因や症状に合わせて薬を投与します。
治療のなかで絶食をすることもあります。

慢性胃炎とは

慢性胃炎とは、常に胃の炎症が持続している病気です。
胃炎には、表層性胃炎、びらん性胃炎、萎縮性胃炎、肥厚性胃炎などがあります。

慢性胃炎の症状

慢性胃炎の症状の特徴は、常に胃に不快感があることです。そのほか、胃もたれ、腹痛、食欲不振、胸やけといった症状があります。
また、症状がないのに慢性胃炎を引き起こしていることもあります。

表層性胃炎は、胃の粘膜の表面が軽く炎症を起こしている病気です。
びらん性胃炎は、炎症によって胃の表面がえぐれてしまった状態です。
萎縮性胃炎は、胃の粘膜が萎縮します。
肥厚性胃炎は、胃の粘膜が厚くなります。

慢性胃炎の原因

慢性胃炎は、喫煙、飲酒、老化、ピロリ菌の感染などで発症します。

慢性胃炎の治療

慢性胃炎の治療では、胃酸の分泌を抑える薬や胃の機能を整える薬を使います。
また、規則正しい生活に変えることも、重要な治療になります。

胃潰瘍とは

胃潰瘍とは、胃壁がただれてしまう病気です。悪化すると、胃壁がえぐり取られてしまいます。

胃潰瘍の症状

胃潰瘍の症状の特徴は、鋭い痛み、胸やけ、吐き気、吐血などです。
黒い便が出ることもあります。便が黒くなるのは、胃の出血が、口から出るのではなく(吐血するのではなく)、腸に向かって便と一緒に出てくるためです。

胃潰瘍の原因

胃潰瘍は、胃酸が多く出すぎて胃粘膜を傷つけることなどで起きます。
ストレスや過労によって、胃酸の分泌をコントロールしている自律神経が乱れると、胃酸が多く出すぎてしまうことがあります。
また、ほかの病気の薬によって、胃酸が多く出てしまい、胃潰瘍を引き起こすこともあります。
ピロリ菌に感染して胃潰瘍に進行してしまうこともあります。

胃潰瘍の治療

胃潰瘍は、胃酸を抑える薬で治します。ただ、胃に穴が開くなど重症化したときは手術をすることがあります。
ピロリ菌がみつかったら、除菌する薬を飲みます。

胃けいれんとは

胃けいれんは、胃の筋肉(筋層)が過度に緊張した状態です。

胃けいれんの症状

胃けいれんの症状は腹痛で、1~2時間続くことがあります。

胃けいれんの原因

胃けいれんは、胃炎や胃がんなどの胃の病気のほか、胆石症や膵炎などの病気によっても発生します。
強いストレスによって胃けいれんを起こす人もいます。

胃けいれんの治療

胃けいれんは、痛みがある場合は鎮痛薬で治します。
そして原因を探って、原因を取り除くようにします。

胃拡張とは

胃拡張とは、胃に入った食べ物が十二指腸に流れず、そのまま胃にとどまることで胃が異常に大きくなってしまう症状です。
通常は、胃でどろどろになった食べ物は十二指腸に流れていきますが、なんらかの異常が起きて流れなくなることがあります。

胃拡張の症状

胃拡張の症状の特徴は、お腹が張った感じになることです。嘔吐することもあります。

胃拡張の原因

胃は、しぼんだ入口が中央部分に向かって広がり、出口に向かって再びしぼむ形をしています。そして、胃の出口が十二指腸につながっています。
胃の出口に潰瘍ができると、胃の出口が過度にしぼんでしまい、胃のなかの食べ物が出口から出られなくなります。これが胃拡張の原因になります。
また、胃は、自身で動くことで胃のなかの食べ物を十二指腸に追い出しますが、手術後だったり、感染症を引き起こしていたり、糖尿病などによって神経障害を起こしていたりすると、胃の動きが低下して、食べ物を十二指腸に追い出せなくなり、胃拡張を引き起こすことがあります。

胃拡張の治療

胃拡張の治療は、胃の出口に潰瘍ができていれば、薬などで潰瘍を治します。激しい嘔吐に見舞われて脱水症状を引き起こしたら、点滴で水分補給します。
また、潰瘍が重症化して薬で治らない場合は、手術をすることもあります。

感染性胃腸炎とは

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染して胃や腸が炎症を起こす病気です。

感染性胃腸炎の症状

感染性胃腸炎の症状には、吐き気、嘔吐、腹痛、不快感、下痢などがあります。
下痢は数日間続くことがあります。

感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染して発症します。

感染性胃腸炎の治療

感染性胃腸炎であると診断されると、対症療法が中心となり、細菌性の場合、抗菌薬を投与する時もあります。

まとめ~早めに医者にかかりましょう

胃の痛みに良くも悪くも人は慣れていて、ドラッグストアなどで痛みを抑える薬を買ってしのごうとする人が少なくありません。でが、痛みが再発するようなら早めにクリニックにかかったほうがよいでしょう。
胃痛は、病気が存在しているサインだからです。
もしその痛みが胃がんによるものであれば、初期の段階はすぎているかもしれません。その場合、早期に治療に取りかかる必要があります。
がんでなくても、胃の痛みは、酷使されている体の悲鳴と考えることができます。クリニックで原因を特定し、適切な治療に取りかかりましょう。

新宿ヒロオカクリニックでは健診・人間ドックでの胃内視鏡検査に加え、消化器内科の専門医による外来診療も行っております。詳細はこちら

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