ビタミン不足の原因とは「なぜ起きて 何が起きるのか」

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日本を含む先進国では飽食の時代が長く続き、食べ物はむしろ余っているので、よほどの事情がなければ栄養不足に陥ることはありません(*1)。

それでも厚生労働省は、国民のビタミン不足を懸念しています。ビタミンを含む食品の摂取が少ないことで起きるビタミン欠乏症という病気について、公式ホームページで紹介し注意喚起しているほどです(*2)。

なぜ飽食の食余りの日本でビタミン不足が起きているのでしょうか。

そしてビタミンが不足するとどのような健康上の問題が起きるのでしょうか。

1)体内でつくれず、2)必ず必要で、3)少量しか必要でないから不足する

ビタミン不足は、食糧の確保が難しい発展途上国で大きな社会問題になっています(*3)。日本ではもちろんそこまで深刻ではないのですが、ビタミン不足が起きています。

日本でもビタミン不足が起きるのは、次のような理由が考えられます(*2)。

■日本でビタミン不足が起きる理由
理由1:ビタミンの多くは体内でつくることができない(食べて摂るしかない)
理由2:ビタミンは健康維持・増進に必ず必要
理由3:ビタミンの多くは大量に必要なわけでなく、少量しか必要でない

理由1からは、ビタミンは体内でつくることができない物質なので、意識的に摂取しないと摂取できず、そのため「ビタミン意識」が低い人は摂取し忘れてしまってビタミン不足を引き起こす可能性がある、ということがわかります。

理由2からわかることは、ビタミン不足が不健康を招くということです。つまりビタミン不足は放置してよい問題にはならない、ということです。

理由3からわかることは、「少量必要」が「多くは必要ない」と理解され、そのうち「多くは」が外れて「必要ない」と考えられる可能性がある、ということです。

例えば栄養素のなかでも炭水化物は「必ず大量に必要なもの」なので、これを摂り忘れる人はあまりいません。

しかし大量に必要ではないが少量は必ず要るものだと、摂り忘れが起きてしまいます。

無理なダイエット、不規則な食生活、食生活の変化

厚生労働省は日本人のビタミン不足について次のような見解を示しています(*2)。

■なぜ日本人にビタミン不足が起きてしまうのか~厚生労働省の見解

日本をはじめ先進国では、かつてのようなビタミン欠乏症は少なくなっています。
その一方で無理なダイエットや不規則な食生活、高齢になるにつれて食生活が変化することなどから、潜在性ビタミン欠乏症になるケースが増えていると考えられています。

 

日本人のビタミン不足は、1)無理なダイエット2)不規則な食生活3)高齢化による食生活の変化のいずれかが原因になっています。

A、B、Cが不足すると何が起きるのか

ビタミン不足が引き起こす代表的な病気は以下のとおりです(*2)。

・ビタミンA不足による夜盲症
・ビタミンB1不足による脚気(かっけ)
・ビタミンC不足による壊血病

1つずつ確認していきます。

ビタミンA不足による夜盲症

夜盲症とは、暗いところや夜にみえにくくなる症状です。

明るいところから急に暗い場所に入ると視覚を失いますが、次第に暗さに慣れてある程度みえてきます。これを暗順応というのですが、夜盲症の患者さんはそれができなくなります。

ビタミンAが不足すると視覚や色覚に作用する物質が減ってしまい、この症状が起きやすくなります。

このまま放置し続けると視覚障害が起き、さらに眼球乾燥症、角膜軟化症へと進み、最終的には失明することがあります(*4)。

ビタミンB1不足による脚気

脚気は神経がおかされて歩行が困難になったり、眼球運動麻痺や意識障害が起きたりして、最終的には心不全を起こして死にいたることがあります(*5*6)。

ビタミンB1は糖質の代謝に関わることから、これが不足すると大量の糖質を必要とする脳や神経が栄養不足に陥ります。これが脚気の症状を引き起こすと考えられています。

糖質が多い食事を摂り続けたり、アルコールを大量に飲み続けたりすると体がビタミンB1を大量に消費するようになり、ビタミンB1不足に陥りやすくなります。

ビタミンC不足による壊血病

壊血病は、疲労感や歯肉の炎症、皮膚の斑点、関節痛、貧血症状などを引き起こし、うつ病に関与することもあります。放置すると死にいたることもあります。

ビタミンCには酸化防止作用があり、これが細胞を守る働きをします。

また、体に傷を負ったときコラーゲンによって治癒が進むのですが、ビタミンCはコラーゲンの生成に必要になります(*7)。

さらに、病気から体を守るには免疫の力が欠かせませんが、それには鉄分が必要になります。ビタミンCは植物性食品が含む鉄分を体内に吸収するときにサポートします。このことから「ビタミンCは免疫力を高める」と理解されるようになりました。

ビタミンを食べ物で摂ったほうがよい理由

それぞれのビタミンは確固たる物質なので、あるビタミンが不足すればそのビタミンを口にして補えばよいと考えることができます。

そのため、ビタミンをサプリで摂ることは間違っていません。

しかし医師や栄養の専門家などは、まずは食事でビタミンを摂ることを推奨しています。

それは食事でビタミンを摂るほうが合理的だからです。

先ほどA、B、Cの3つのビタミンを紹介しましたが、体に必要なビタミンはこの3つを含めて13種類あり、それは以下のとおりです。

■体に必要な13種類のビタミン
・A
・B1
・B2
・B6
・B12
・C
・D
・E
・K
・ナイアシン
・パントテン酸
・葉酸
・ビオチン

これだけのものについて何が不足しているか調べ、不足しているものをサプリで摂るのは合理的ではありません。

しかもビタミンは、ほかの成分や物質と作用しあって健康づくりに貢献しています。

食材には13種類のビタミンだけでなく、ビタミンの作用を助ける成分や物質が含まれているので、食事でビタミンを摂ったほうが合理的なのです。

食べ物で摂れないときはサプリに頼ろう

ただ、13種類のビタミンを必要量摂取するには、バランスの取れたメニューを考えそれを食べていかなければなりません。

忙しい現代人は、正しい食生活を送ることが難しくなっています。

そこでビタミンのサプリメントが有効になってきます。

食事で摂れないビタミンは、サプリで補いましょう。

また私たちヒロオカクリニックでは、高濃度ビタミンC点滴を行なっております。点滴により、高濃度のビタミンCが短時間に全身に行き渡ることで、細胞の活性化による若返り効果の促進や、身体の中から若く美しくなる最先端のアンチエイジング効果が期待できます。

まとめ~油断しないで

日本で「栄養失調」という言葉を目にすることはまれになったと思います。また、食事や食材のバリエーションは増えていく一方なので、多くの人は「必要な栄養はまんべんなく摂れているはずだ」と感じていると思います。

しかしそこに落とし穴が隠れているかもしれません。いろいろなものを食べていても、そこにビタミンが含まれていなければ意味がありません。

ビタミン不足の恐さを知ったこの機会に、ぜひ日ごろの食生活を見直してみてください。

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