メタボリックシンドロームとは「内臓脂肪+ある病気」診断基準を解説

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自分のお腹を叩きながら「メタボです」と苦笑する人がいますが、肥満=メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)というわけではありません。
内臓脂肪の量が一定量に達し、さらに次の1~3のうち、2つ以上当てはまったときメタボと診断されます。
1)高トリグリセリド血症か低HDLコレステロール血症
2)高血圧
3)高血糖
そして、メタボの勘違いはもう1つあります。それは、メタボは笑って済ませる病気ではないということです。メタボは重大な病気の入口です。
この記事では、メタボの診断基準を解説したうえで、メタボの恐さを紹介します。メタボの自覚があり、「怖い」と感じた人ほど、ぜひ最後までお読みください。

メタボの定義

メタボが問題になるのは、この状態が放置されると心臓病や脳の病気などの、生死に関わる危険な病気を発症するリスクが高まるからです。
メタボは、日本内科学会が次のように定義していて、これが診断基準になります(*1)。

<メタボリックシンドロームの定義(診断基準)>

●条件Aと条件Bの両方を満たしたとき、メタボリックシンドロームと診断する

●条件A:内臓脂肪面積(ウエストで推定する)

・男性はウエスト85cm以上
・女性はウエスト90cm以上

●条件B:以下の3項目のうち、2つ以上に該当する

1)高トリグリセリド血症(150mg/dL以上)かつ・または低HDLコレステロール血症(40 mg/dL未満)
2)高血圧(収縮期血圧130mmHg以上かつ・または拡張期血圧85mmHg以上)
3)高血糖(空腹時、110mg/dL以上)

これらの条件を1つずつみていきましょう。

内臓脂肪とは何か、なぜ内臓脂肪が問題なのか

人の脂肪には、内臓脂肪皮下脂肪があります。皮下脂肪は皮膚の下にたまる脂肪で、内臓脂肪は小腸などの臓器にたまる脂肪です。
内臓脂肪の量は、ウエストが広くなるほど多くなる傾向にあるので、メタボの診断基準にウエストの長さが含まれています。

内臓脂肪の量が問題になるのは、これが増えるとインスリンが効かなくなるからです。
インスリンは、細胞が血液内の糖を取り込むのを助けるホルモンです。インスリンの効果が低下すると血液中に糖がたまり糖尿病へとつながってしまいます。

先ほど、「メタボ→心臓病や脳の病気」というルートを紹介しましたが、「メタボ→糖尿病→心臓病や脳の病気」というルートもあるので、糖尿病の発症は何としても防がなければなりません。

高トリグリセリド血症とはどのような病気か

高トリグリセリド血症は、トリグリセリドが基準値より高くなった病気です。
トリグリセリドは中性脂肪のことで、単に脂肪といえばこれのことです。トリグリセリドは人の脂肪で最も量が多い特徴があります。
トリグリセリドは、人が生きていくうえで重要なエネルギー源ですが、体内に多く蓄積しすぎると血管を傷つけたり膵臓にダメージを与えたりして、生活習慣病につながってしまいます。

低HDLコレステロール血症とはどのような病気か

人の体内の脂質には、トリグリセリドの他に、コレステロールがあります。
トリグリセリドとコレステロール、そしてタンパク質が結合すると、HDLコレステロールやLDLコレステロールという物質になります。

「コレステロール」と聞くと悪者というイメージを持つかもしれませんが、HDLコレステロールは違います。HDLコレステロールは余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える善玉です。
したがって、血液中のHDLコレステロールが少ない人は、生活習慣病のリスクが高まってしまうので、メタボの診断基準になっています。

高血圧と高血糖がどのように生活習慣病を引き起こすのか

高血圧と高血糖は、メタボの診断基準に含まれますが、これらは単体でも生活習慣病を引き起こす力があります。

血圧が高くなると、血管や心臓に負担が増えダメージが広がります。血管がダメージを受けると動脈硬化に進んでしまいます。動脈硬化は、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈、動脈瘤、腎不全につながってしまいます。

血糖が高い状態が続く糖尿病を発症すると、血管がダメージを受けます。また、糖尿病が重症化すると、1)足の切断、2)失明、3)人工透析というつらい状況に陥ります。

メタボは治療対象

メタボは、自分のお腹を叩きながら「メタボです」と苦笑できるほど気楽な病気ではなく、れっきとした治療対象になる病気です。

メタボの治療で重要なのは、減量です。
目標体重を定めて、生活習慣、食習慣、運動習慣を改善することでダイエットしていきます。
食習慣の改善は特に重要で、7,000kcalを減らすと体重は1kg減ります。茶碗1杯のご飯は約200kcalなので、1日1杯ご飯を減らせば、1カ月余で1kg減らすことができます。

●7,000kcal÷200kcal杯=35杯→1日1杯減×35日

運動療法は、有酸素運動が有効です。酸素を多く吸い込むウォーキングやジョギングが望ましいでしょう。
1万歩で250kcal消費するので、毎日1万歩歩けば、やはり1カ月ぐらいで1kg痩せることができます。

つまり、ご飯を1日1杯減らして、毎日1万歩歩けば、1カ月で2kg痩せることができることになります。

まとめ

メタボは深刻な病気ですが、軽く思われることが少なくありません。
メタボは恐い病気の入口であり、その恐い病気は生死に関わる病気に進んでしまいます。
軽くみられるのは、メタボと診断されたときに痛みも苦しみもないからかもしれません。
先々の苦労を減らして健康で長生きするためにも、計画的に体重管理を行いましょう。

新宿 ヒロオカクリニックでは、「かかりつけ医」として常勤の宮本医師(総合内科専門医)を中心に糖尿病専門医、循環器内科専門医、腎臓専門医等の多くの専門医が協力して各種生活習慣病の診察・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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