「吐き気、むかつき」の症状で疑われる胃の異常や重大な病気

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突然の吐き気やむかつきは、人によってはよくある症状なので、そのまま放置されることがあります。
確かに一過性の症状で終わることもあるのですが、まれに心筋梗塞や脳腫瘍といった命にかかわる病気が隠れていることもあります。
そこまで深刻な状態でなくても、放置すると胃の病気に進んでしまうこともあります。
また、機能性ディスペプシアという、最近注目を集めている病気が引き金になっているかもしれません。
吐き気とむかつきの注意点を解説していきます。

そこまで深刻に考えなくてもよいケース

まず、吐き気とむかつきが起きても、それほど深刻に考えなくてよいケースを紹介します。
もし、1)これまで吐き気とむかつきを経験したことがなく、2)暴飲暴食のあとに吐き気とむかつきが起きたら、それは一過性である可能性が高いでしょう。
この場合は、しばらく安静にしていれば、症状が治まります。

ただ、吐き気とむかつきで心配しないでよいケースは、これくらいです。
吐き気とむかつきが起きたら、何らかの対策を講じましょう。

胃酸過多が引き起こす胃の病気

普段から定期的に吐き気やむかつきが起きている場合、胃酸が常に多い状態にあるかもしれません。これを胃酸過多といい、この状態が引き起こす胃の病気を紹介します。

胃酸、胃粘液、胃液

胃のなかには、胃液が存在します。胃液の成分は、大きく胃酸と胃粘液にわかれます。
胃では、食べたものを消化したり殺菌したりしています。その役割を担うのは、塩酸を主成分とする胃酸です。
胃酸は、消化・殺菌には適しているのですが、酸が強すぎて、そのままでは胃の粘膜を溶かしてしまいます。
胃酸から胃の粘膜を守るのが、胃粘液です。

胃酸と胃粘液のバランスが取れていると、食べ物を効率よく消化・殺菌しながら、胃の健康が保たれます。

逆流や胃炎から、胃潰瘍や十二指腸潰瘍へ

胃液のバランスが崩れて胃酸が多くなると、胃の粘膜が傷つき炎症が起きます。これが胃炎です。
そして、胃炎が進行すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こします。潰瘍とは、ただれた状態がさらに悪化した状態のことです。

また、胃酸が、胃から食道へ逆流することがあり、それによって食道が炎症することを逆流性食道炎といいます。

胃炎でも吐き気やむかつきが起きますが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎によって、症状はさらに悪化します。

胃酸過多が引き起こす胃の病気の治療

胃酸過多が引き起こす、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎を治療するには、胃酸の分泌を抑える薬を飲む必要があります。
定期的に吐き気やむかつきが起きるようなら、内科クリニックで診てもらったほうがよいでしょう。
また、脂っこい食べ物が好きな人や、飲酒や喫煙の習慣のある人は、それらを控えることも治療に役立ちます。

食中毒や感染に警戒を

暴飲暴食をしていないのに、急に吐き気や嘔吐に襲われた場合、食中毒やウイルス感染が疑われます。
吐き気や嘔吐は、体内に入った危険物質を体外に出す自己防衛機能です。毒性のものを口にしたり、ウイルスや細菌が体内に入ったりすると、それらを吐き出そうと吐き気や嘔吐に襲われるわけです。

医療機関にかかるタイミング

嘔吐しても、水分を飲むことができたり、静かに横になったりできていれば、自宅で安静にしていてもよいでしょう。
ただ、発熱や下痢が加わり水分摂取が困難になったら、早く医療機関にかかってください。脱水のリスクが高まるので、点滴などの処置が必要になります。
脱水症状が起きているのに、医療機関にかからず、体力をつけようと何か食べたりすると症状はさらに悪化します。

心臓と脳の病気が吐き気を引き起こすことも

吐き気は、一般的には胃を中心とした「お腹」の不具合によって起きる症状ですが、まったく別の臓器の異常でも発生することがあります。

心筋梗塞などの心臓の病気が、突然の吐き気を引き起こすことがあります。
心臓の病気は、普通は胸の鋭い痛みを引き起こすのですが、糖尿病を持っている人が心臓の病気を併発すると、吐き気をもよおすことがあります。

また、脳腫瘍が発生すると脳圧が高まって体にさまざまな異変が現れ、その1つが吐き気です。脳腫瘍による異変にはそのほかに、頭痛、ふらつき、歩行障害、めまいなどがあります。

最近の病気「機能性ディスペプシア」

機能性ディスペプシアという病名を聞いたことがある人は、それほど多くないと思います。日本消化器病学会が、この病気の治療方針を示したのは2014年です(*1)。
機能性ディスペプシアは、機能性消化管障害の一種で、正式には病名ではないのですが、病名のように取り扱われることがあります。

異常がないのに異変が起きる

機能性ディスペプシアは、胃やその周辺の内臓や、心臓や脳などに異常がみられないのに、胃痛、胃もたれ、吐き気、むかつきといった症状を引き起こします。
そのほかの症状の特徴としては、慢性的に起きるが一度消えると長く発生せず、しかし時折再発する、というものです。

原因はストレスか

機能性ディスペプシアの原因は、ストレスとみられています。
患者さんは長期間にわたって症状に悩まされるため、生活の質が低下します。
機能性ディスペプシアの治療法には、ストレスを取り除くこと、食生活を改善すること、胃酸の分泌を抑制する薬を飲むことなどがあります。

まとめ~「いつものこと」だからこそ治療を

吐き気やむかつきは、「いつものことだから」と放置されてしまうことが多いのですが、むしろ「いつものこと」だからこそ、治療に取りかかることをおすすめします。
医療機関にかかれば、隠れていた重大な病気を発見する切っ掛けになるかもしれません。また、重大な病気が隠れていないことを確認することもできます。
吐き気やむかつきを引き起こす病気はいくつか考えられるので、まずは病気を特定し、それから治療をスタートさせましょう。

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