胃痙攣:なぜ震える感覚が生じるのか、原因、症状、治療を解説

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胃痙攣(いけいれん)とは、胃壁の筋肉が緊張して、あたかも胃が震えているかのように感じる症状で、みぞおちが激しく痛みます(強い上腹部痛に襲われます)。

胃痙攣はとてもつらい症状ですが、数分で収まることがあるので、すぐに医療機関にかからない人もいますが、重大な病気が隠れている可能性があることを知っておいてください。

胃痙攣を繰り返していたり、症状が重かったりしたら、一度クリニックなどにかかったほうがよいかもしれません。

この記事では、胃痙攣の原因、症状、治療を解説します。

隠れているかもしれない病気は、原因の章で紹介します。

尚、「胃痙攣」という言葉は広く使われていますが、あくまで症状であって、正式な病名や疾患名ではありません。医学的には「機能性ディスペプシア」と定義されますが、この記事では世に浸透している「胃痙攣」という言葉を用いて解説します。

ブルブルしているわけではない?

胃痙攣には「痙攣」という言葉が使われていますが、実際に胃がブルブル震えているという報告はほとんどありません。

胃の痛みや違和感は、大きく2つにわかれます。

1つは炎症による痛みです。胃液は強力な酸性の液体ですが、健康な胃は粘膜に守られているので胃液に溶かされることはありません。しかし胃の健康が損なわれると、粘膜のバリアが弱まり、胃液によって胃壁に炎症が起きます。これが胃痛になります。

2つめの痛みは、胃壁の筋肉の緊張によるものです。胃痙攣はこちらに属します。

筋肉には、自分の意思で動かせる筋肉と動かせない筋肉がありますが、胃壁の筋肉は後者です。

つまり胃痙攣を引き起こす胃壁の筋肉の緊張は、自分の意思とは関係なく起きるので違和感を覚え、それが「胃が痙攣しているという感じ」になります。

胃壁の筋肉の緊張が強まると激しい痛みになります。

また、胃炎が悪化してその痛みで胃壁の筋肉が緊張し、胃痙攣を起こすことがあります。そのため胃炎と胃痙攣は完全に2つにわかれるわけではありません。

胃痙攣の症状

「胃がピクピクと動いているな」と感じる程度では胃痙攣と呼ばれません。

胃痙攣と呼ばれるには、次の2つの症状が必要になります。

<胃痙攣の直接的な症状>
・上腹部の突然の強い痛み
・痛みは短いものでも数分続き、長くなると1、2時間続く

突然起きることは胃痙攣の重要な条件です。痛くない状態から急に痛みが起きます。

痛みは、食べたり飲んだりした直後に起きやすい傾向があります。

胃痙攣では多くの場合、以下のような付随した症状が現れます。

<胃痙攣に付随した症状>
・冷汗が出る
・吐き気、嘔吐
・下痢
・食欲不振
・めまい、ふらつき
・動悸や貧血症状
・黒色の大便

胃痙攣の原因

胃痙攣の治療では、痛みの除去も大切ですが、それよりも重要なのは痙攣を起こしている原因の特定です。

胃痙攣の直接的な原因は、筋肉の緊張であることがわかっています。そのため、何が緊張を引き起こしているのかが問題になります。

胃痙攣(筋肉の緊張)の原因は次のものが考えられます。

<胃痙攣の原因になりうるもの>
・ひどい便秘
・食生活の乱れ
・強いストレス
・腹水
・胃炎、十二指腸炎
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・胆石症
・膵炎
・胃がん

胃がんのほか、胆石症や膵炎といった重大な病気が隠れているかもしれません。

関連記事:強く警戒しなければならない胃の病気の種類と症状と治療法

胃痙攣の治療

胃痙攣の治療について、軽症と重症にわけて解説します。

軽症の場合の対処法

胃痙攣が頻発しているわけではなく我慢できる程度の痛みであれば、自宅や仕事場で対処可能です。

椅子に座って楽な姿勢を取ったり、ソファに横になったりして、痛みが収まるのを待ちます。

湯たんぽがあれば、それで腹部を温めるとよいでしょう。

もし空腹の状態で胃痙攣が生じたら、痛みが和らいだら、お粥などの軽めの食事を摂ってください。

おすすめできない自己対処

胃痙攣が頻発しているにも関わらず医療機関にかからない人がいます。

そのような人は、市販の痛み止めを飲み痛みをごまかしてやりすごしていますが、おすすめできません。

頻発を含む重症の場合の治療法

動けなくなるほどの痛みが生じた場合はもちろんのこと、胃痙攣が習慣化してしまっている人も医療機関にかかったほうがよいでしょう。

医師は、患者さんが胃痙攣の症状を訴えたら、胃炎や胃がんなど、先ほど紹介した胃痙攣の原因になりうるものを疑います。

原因を特定するために次のような検査をするでしょう。

<胃痙攣の患者さんに行う検査>
・血液検査
・エコー検査
・X線検査
・内視鏡検査

検査結果によって胃痙攣を起こしている病気を特定できれば、それに合った治療を行います。

例えば、内視鏡検査でがんと疑われる小さな病変をみつけたら、内視鏡でそのまま切除することもあります。

また、胃炎や胃潰瘍であれば、胃酸を抑える薬などを処方するでしょう。

まとめ~異常事態という認識を持って

胃が痙攣すること(痙攣していると感じること)は滅多にありません。そのため、胃痙攣は胃に何か悪いことが起きているしるしになります。

悪いことのなかで最悪なものが胃がんです。したがって、胃痙攣が起きてすぐにクリニックなどにかかることは賢明な判断といえます。

ところが胃痙攣の痛みは、なんとかごまかせるタイプの痛みでもあります。それで頻発するようになると慣れてしまい、悪いことの兆しであることを忘れてしまう人もいます。

胃痙攣のリスクをしっかり理解して治療に臨むことをおすすめします。

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